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禁断の土地 一世紀…その中に‘近代建築遺産’130余棟がある

登録:2013-05-17 01:26 修正:2013-05-17 08:24
近代建築物と緑地が交わったソウル龍山(ヨンサン)駐韓米軍基地敷地
都心の中であたかも緑色の島のように見える。 2016年の返還を控えて龍山(ヨンサン)基地敷地の将来活用を巡る議論が活発になされている。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

創刊企画 龍山(ヨンサン)基地遺跡の再発見

龍山(ヨンサン)米軍基地内 日帝時の兵営施設そのまま保存
"近代建築物の宝庫…類例のない歴史文化遺産"

 2016年に返還されるソウル龍山(ヨンサン)米軍基地内に1906~1945年にかけて日帝が作った朝鮮駐屯軍兵営施設が130棟以上そっくり残っていることが確認された。 これと関連してパク・ウォンスン ソウル市長は16日「(国土交通部が推進中の)龍山(ヨンサン)基地跡公園造成はソウルの100年を決定することになる選択」とし、市民の意見を反映して基地跡全体を生態公園として長期造成する‘龍山公園造成特別法’改正を推進すると明らかにした。

 <ハンギョレ>が最近ユ・スンヒ民主党議員を通じて入手した<軍駐屯地内近代建築・施設一斉調査委託研究報告書>を見れば、龍山基地内には計1245棟の建物があるが、このうち132棟が1906年以後に日帝強制占領期間に築造され保存されていると発表された。 この報告書は文化財庁の委託を受けて建築史研究者であるキム・ジョンホン培材(ベジェ)大教授チームが2011年7~8月に国内で初めて実施した現場調査結果を基に作成したものだ。 保安を理由に調査が不可能だった建物50余棟を含めれば残存する日本軍兵営施設は更に増えるものと見られる。

 兵営施設は主に基地の北側地域(メインポスト)と南側地域(サウスポスト)に残っているが、それぞれ58棟、66棟が集まっている。 また、基地内の極東工兵団部隊(FEDコンパウンド)に5棟、キャンプ コイナー、キャンプ キム、国連軍家族住居地域(国連コンボイ)にもそれぞれ1棟がある。 メインポストには兵営施設が、サウスポストは宿舎が主にあった所で、建物は全て保存状態が良く、メインポスト側は米軍勤務施設として、サウスポスト側は宿舎として使われている。 キム教授は建物の配置を通じて日帝強制占領期間の日本軍の指揮本部と野戦軍配置構造を垣間見ることができると説明した。 国内で特定地域に100棟を超える近代建築物が過去の景観を維持したまま保存されている事例はここが唯一だ。

 キム教授は「130棟を超える日本軍の兵営建物が残っているのは日本にも類例がない」として「100年前の日本の韓半島・大陸侵略の実体を示す世界的な歴史文化遺産」と話した。 また、外部に突出したバットレス(主壁を支える外部構造物)を活用した軍兵舎施設は古典主義から近代建築へ移る過渡期の様式を見せており、洋式応接間、ペチカにオンドルを組み合わせたことも特徴だと彼は付け加えた。 キム教授は「龍山駅と連結された龍山基地は、世界戦争史の流れにより日本軍が戦争に対応する方式をそっくり見せる近現代人類文化遺産の価値を持つ」と評価した。

 一方、パク・ウォンスン市長は龍山公園造成方向を問う<ハンギョレ>の書面質問に送った返事で「現在は米軍駐屯地であるため一般人の接近は不可能だ。 内部がどうなのか分からない状態で保存、撤去を語るより、基地跡内部を公開することが優先だ。 以後に市民の共感の中で、保全しなければならない建物は保全し、撤去しなければならない建物は撤去しなければならない」と話した。

イム・ジョンオブ、チョン・テウ記者 blitz@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/587841.html 韓国語原文入力:2013/05/16 22:13
訳J.S(1626字)

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