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北韓 "対話提案はうわべだけ" …‘具体案’要求しボールを投げ返す

登録:2013-04-14 22:40 修正:2013-04-15 10:15
祖平統発表 内心は何か
開城(ケソン)工業団地・金剛山(クムガンサン)など再開と
韓・米軍事圧迫の中断を期待した模様
朴大統領の進展した発言が必要
北韓、金日成主席の誕生日である‘太陽節’を控えた14日午前、黄海南道(ファンヘナムド)甕津郡(オンジングン)の山の中腹に‘偉大な首領 金日成同志 革命思想万歳’と書かれた立て札が立っている。 左下に砲門が開かれた海岸砲陣地が見える。 延坪島(ヨンピョンド)/キム・ポンギュ記者 bong9@hani.co.kr

 11日、北に渡した‘ボール’が14日 南へ再び戻ってきた。 最近の韓国と米国による対話提案に対して、北韓はさらに具体的で誠意ある案を出せと逆提案をした。

 ひとまず北韓の祖国平和統一委員会スポークスマンが明らかにした "対話提案はうわべだけ" という内容の発表を対話拒否と断定することは早すぎると見える。 先ず国防委員会や朝鮮労働党など重要国家機構ではない党統一戦線部傘下の祖平統が発表したという点で‘格’が低い。 談話や声明ではなく<朝鮮中央通信>記者の質問にスポークスマンが答える形式を取ったという点も同じだ。 また「対話は南朝鮮(韓国)当局の態度にかかっている」と話した点からも、対話拒否というよりは対話条件の提示と見ることができる。

 そのために韓国政府の立場表明もきわめて慎重だ。 統一部関係者は「形式と内容から見る時、我々の対話提案に対する1次的反応だ。 対話という大きい器の中でなされているとみるべきだ」と話した。 キム・ヨンチョル仁済(インジェ)大教授も 「核心は対話提案に内容がないということだ。 韓国がさらに具体的な提案を再び出せとしてボールを投げ返したわけだ」と評価した。

 祖平統スポークスマン発表の一番目の要旨は「対話提案というものを覗いて見ても、何も内容がない」ということだ。 これは11日に朴槿恵(パク・クネ)大統領が「北韓と対話するだろう」と明らかにしたことと、リュ・キルジェ統一部長官が 「北韓当局は対話の場に出てくるよう願う」と話したことだけを信じて対話に直ちに乗り出すことはできないという意と読まれる。 12日ジョン・ケリー米国国務長官が「我々が願うのは北韓との対話だ」と話したことに対しても同様だ。

 換言すれば、北韓は対話提案の‘中身’を要求したものと見られる。 北韓が具体的に期待することとしては、先ず対南関係では開城(ケソン)工業団地の再稼働と拡大、金剛山(クムガンサン)・開城(ケソン)観光の再開、内陸企業活動の再開など李明博政府の下でなされた対北韓制裁措置の解除が挙げられる。 北韓の期待事項には李明博政府が事実上継承を拒否した6・15,10・4首脳宣言の実践も含まれうる。

 祖平統スポークスマンが明らかにした2番目の要旨は「本当に対話意志があるならば、言葉遊びをするのではなく根本的に対決姿勢を捨てることからすべきだ」とした部分だ。 これは今回の事態の直接的契機となった韓-米連合軍事訓練を含め韓-米の対北韓圧迫を中断しろというメッセージと読まれる。 より大きな枠組みの要求だ。 チャン・ヨンソク ソウル大統一平和研究院専任研究員は「北韓が米国に対して、国連などの対北韓制裁を先に解除し、核兵器実験と長距離ロケット発射の認定、韓半島の平和体制転換など、一切の対北韓敵対政策を放棄しろと要求したと見る」と語った。

 北韓がこのように大きな枠組みの変化を要求する理由は‘金正恩体制’の登場と深い関連があるように見える。 さらに昨年と今年に韓半島と米国、中国、日本、ロシアなど東北アジア‘6者’の指導部が全て変わった。 韓半島を巡る新しい体制を要求するのに都合の良い時期だと判断した可能性が高い。

 現在の対話ムードを進展させるには、韓国政府によるより具体的な提案が必要と見える。 キム・ヨンヒョン東国(トングク)大教授は「開城工業団地正常化のための具体的対話提案や朴槿恵大統領の進展した発言、米国の早期・直接対話意志表明などが考えられる」とした。 もちろん現在の対話基調を維持するためには、北韓の努力も必須だ。 政府のある関係者は「現在の対話ムードの前提は、北韓がミサイルを撃たないということだ。 ミサイルを撃てば状況が一変し、対話は水泡に帰す」と話した。

キム・キュウォン記者 che@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/582776.html 韓国語原文入力:2013/04/14 22:03
訳J.S(1934字)

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