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北、国連制裁・韓米合同訓練に対抗して挑発を正当化‘撒き餌’

登録:2013-03-06 22:22 修正:2013-03-07 00:37
‘停戦協定無効宣言’波紋…先月23日、駐韓米軍側に予告…追加制裁すればミサイル実験など予想…法的には事実上の戦争状態宣言…実際にはUN司令部と通信断絶を意味…危機感高め対話圧迫の意も
国連安全保障理事会理事国代表らが5日(現地時間)国連本部会議室で北韓核実験に対する追加制裁案を議論している。 国連は早ければ7日にも表決を経て北韓に対する追加制裁を確定することにした。 ニューヨーク/ニューシス

 北韓最高司令部が発表した停戦協定無効宣言は、緻密な計算の痕跡が見られるがすでに予告されていたことだ。 韓・米の動きに対抗して威嚇の強度を段階的に高める北韓の‘段階的威嚇スタイル’そのものだ。

 第3次核実験が国連安全保障理事会の制裁決議に対応したものだとすれば、今回の措置は韓・米両国の鷲・キーリゾルブ合同軍事演習を狙ったものだ。 外務省、国防委員会声明を通じて第3次核実験を予告したように、今回の措置も先月23日にパク・リムス板門店(パンムンジョム)代表部代表がジェームズ サーマン駐韓米軍司令官に送った電話通知文で予告していた。

 このような脈絡で見れば北の対応は予測可能だ。 7日頃に国連安保理が追加制裁措置に合意すれば、北が取りうる対応は長距離新型大陸間弾道ミサイル(KN-08)の発射、またはすでに実践配備されていると把握されてはいるが発射実験をしていない射距離4000kmの中距離ミサイル 舞水端(ムスダン)発射と予想できる。 4次核実験準備に本格的に乗り出す可能性もある。

 北韓は韓-米合同軍事演習に対抗してすでに東海地域で陸海空軍統合火力訓練を含め海岸砲射撃などの訓練を準備してきた。 今回の最高司令部声明で明らかにしたように、キーリゾルブ演習が始まる11日には停戦協定無効化に対応した実際の措置とともに可能なすべての火力と人員を動員した国家レベルの対応訓練に突入するだろう。

 北韓の今回の停戦協定無効宣言は政治的、法的、象徴的側面で見るならば波紋が大きいが、実際的側面だけで見るならば通信手段断絶の意味に終わる。 北韓軍とUN司令部の当直将校が毎日一回ずつ電話線の通信状態を互いに確認してきたが、これを切るということだ。 北は過去にも停戦協定に「拘束されない」と一貫して主張してきた。 板門店人民軍代表部の設置で軍事停戦委の機能を無力化させたので、停戦協定は事実上有名無実化されていた。 これに先立って外務省声明が6者会談と9・19共同声明に下した死亡宣告と同じ脈絡にある。

 とはいえ今回の措置は北韓がいかなる挑発でも正当化できる根拠に活用しうるという点で非常に危険だ。 北韓は 「我々も停戦協定の拘束を受けずに任意の時期、任意の対象に対し無制限で意のままに正義の打撃を加える」と予告した。 実際の挑発に対する予告と解釈できる。

 北の今回の措置は法的に‘事実上の戦争状態’を宣言したものだ。 ‘戦争勃発の可能性’を最大化しようとすることが、北韓が今回の措置を通じて意図する目的と見える。 このような点で見るならば、合同参謀が6日‘北の挑発時、指揮勢力報復’を挙論して強硬に正面対抗したことは、北の戦略に巻き込まれている側面がある。

 北韓が威嚇を現実化する措置に先立って、これをあらかじめ予告する‘事前予告制’を徹底的に守っている点には注視する必要がある。 これは北韓が交渉のための時間と余地を置いていると解釈できる。 北が要求しているのは‘北韓-米国の平和談判か、戦争かの二者択一’であるためだ。 現時点ではその選択の時間は予測できないが、逆説的に戦争の危機感が高まるほど平和談判の可能性は大きくなるだろう。

カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/576935.html 韓国語原文入力:2013/03/06 20:46
訳J.S(1665字)

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