北韓の3次核実験に対抗して国連安保理の海上封鎖など制裁強化、先制打撃の軍事力使用など強硬な対応策が乱舞する中で米国の最も権威ある北核専門家であるジーグフリード ヘッカー博士は5日 「北韓の核脅威抑制のための韓米2ヶ国の政策は経済、教育、資源、文化、交流とともにより一層広範囲なイシューに焦点を合わせる時に最も効果的に作動できる」と明らかにした。
去る2010年11月に北韓を訪問し、初めて北韓の現代的な大規模ウラニウム濃縮施設の存在を確認した経緯があるヘッカー博士は、この日ソウルで開かれた東北アジアの未来に関する国際シンポジウムでこのように強調し、現在北韓の核能力は‘依然として初歩的段階’であり、それでも 「韓米2ヶ国の新政府が北韓の核脅威を抑制することに焦点を合わせたこのような政策を用意しないならば最悪の状況が到来するだろう」と警告した。 米国4大国立核研究所の一つであるロスアラモス研究所所長を歴任した彼は、2次核危機が勃発した2002年以来 「北韓の非核化を狙った韓米の対応は北韓核プログラムの強化を阻止することに失敗した」と批判的な見解を示した。
ソン・キム駐韓米大使はシンポジウムの歓迎辞を通じて「北韓が挑発を中止し責任ある隣国として非核化という共同の目標に共に進むこと」を促しながら 「バラク・オバマ米国大統領は韓国と緊密な協力を継続し北韓に関与する準備ができている」として、交渉の可能性を開けておいた。
しかし2000年南北首脳会談を前後して対北韓政策調整官として北米共同コミュニケを引き出す核心的な役割をしたウィリアム フェリー前米国防長官は「3次核実験の強行が帰れない川を渡るわけではないが、北-米当局間対話をかなり難しくさせるだろう」と憂慮した。 しかし彼は一角で議論されている先制打撃に対しては非常に否定的な立場を明らかにした。 94年韓半島戦争危機当時、国防長官として予防的先制攻撃論に立って寧辺(ヨンビョン)核施設に対する外科的攻撃を検討したりもした彼は「94年にはすべての核施設力量が一ケ所(寧辺(ヨンビョン))に集中していたが、今はどこに位置しているかも分からない。 今日では有効でない」と指摘した。
<連合ニュース>とスタンフォード大アジア太平洋研究所(APARC)が共同主催した今回の国際シンポジウムでは韓米2ヶ国の対北韓政策を巡り一方的強硬論や制裁と対話の二元的(ツートラック)接近を跳び越える新たな接近が必要だという意見が提示された。 ペリー前長官はオバマ1期-李明博政府の時期を意識してか「今までの数年間は非公式的対話の手段があったが、今は公式的な対話の手段が必要だ」とし「万一、米国政府が北韓との対話を再開するならば、インセンティブと威嚇の調整がなければならず、より一層果敢にニンジンとムチを使い分けなければならない」と強調した。 デビッド・ストロボ アジア太平洋研究所副所長も「北韓社会内部の究極的変化を引き出せる接近にならなければならない」とし「朴槿恵(パク・クネ)政府の対北韓包容努力は米中の支持を得るだろうし、もし金正恩政権が改革路線を採択して南側と協力する意向を明確にするならば今年中にも南北関係の重要な突破口を見ることができるだろう」という見解を示した。 これに反しダニエル・スナイダー アジア太平洋研究所長は‘体制転覆的な介入’という用語を引用して、封鎖でも包容でもない強圧的な介入政策を注文することもした。
カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr