双龍(サンヨン)自動車労使が無給休職者455人を来る3月に復職させることに電撃合意した10日夕方、双龍(サンヨン)車の整理解雇者が集まっているソウルの大漢門(テハンムン)の脇の≪ともに生きよう座り込み村≫には、歓呼の代わりに静寂が漂った。 ビニール一枚が冷たい風を防いでいるテントの中で、パク・チョンマン金属労組双龍車支部組織部長は「合意案は受け入れられない」とぐっと沈んだ声で言った。
イ・ヒョンジュン民主労総金属労組双龍車支部整備支会代議員は力ない笑みを浮かべた。 「国政調査をすれば企業イメージが悪くなるという話までするんですからね。」無給休職者の復職措置は国政調査を避けようとする姑息な手じゃないかという指摘だ。 イ代議員は「復職はしても国政調査はやらなければならない。 五大問題が解決されなければ双龍(サンヨン)車事態は終わらない」と言った。 彼の言う“五大問題”とは △双龍車事態の鎮圧責任者処罰 △会計操作真相究明および責任者処罰 △自殺した22人の同僚に対する対策樹立 △整理解雇撤廃 △解雇労働者の全員復職 だ。
復職の知らせを聞いて平沢(ピョンテク)から駆け付けたキム・ソンジン整備支会事務長がテントに入ってきた。「会社はその455人の人たちを、3月に復職させるやいなや休職させるでしょう。 懲戒対象に上がって解雇された人たちも、復職と同時に休職処理したんだから。」キム事務長は現在「コランドC」の生産ラインだけが残業をしていると、工場の状況を伝えた。 仕事がないので復職しても仕事はできないということだ。 キム事務長は「昼間連続2交代にできる状況でもないのに、何で復職が可能か」と話した。
合意案のニュースが広く知られ始めたのか、テントに詰めている組合員の携帯電話がひっきりなしに鳴った。 無給休職者たちが「本当に戻れるのか」と座り込み村の人々に聞いてくるのだった。 キム事務長が独り言を言った。「彼らも(この合意案が保障のないものであることを感じてはいるけれども口に出して言えないだけだ。 希望拷問だ(訳注:希望を持たせては失望させ、希望を持たせては失望させるというやり方を拷問と言っている)。 こういうことでは第二の韓進重工業になってしまう。」
チョ・エジン記者 jiny@hani.co.kr