大統領選挙に介入したという疑いを受けている国家情報院職員キム・某(29)氏が進歩指向の人気インターネット コミュニティ掲示板で複数のIDを利用して世論操作を試みた具体的情況が明らかになった。
ソウル水西(スソ)警察署は3日 「国家情報院職員キム氏が昨年8月28日から大統領選挙直前の12月10日までインターネット コミュニティ‘今日のユーモア(todayhumor.co.kr)’掲示板で16ヶのIDを作り269ヶの掲示文に288回にわたり‘推薦’または‘反対’を表示した」と明らかにした。
警察は「キム氏が文在寅(ムン・ジェイン)候補を支持する文には‘反対’を、朴槿恵(パク・クネ)候補を支持する文には‘賛成’ボタンを捺す傾向を示した」と説明した。 キム氏が世論操作に介入した文の中で、大統領選挙関連掲示文は94ヶであり、実名認証が必要でないポータル ヤフーのアカウントで複数IDを作ったことが調査された。
‘今日のユーモア’はユーモア資料の他にも時事・政治に対する文が多く上がってくるインターネット コミュニティで、進歩指向ネチズンの集結地と評価されてきた。 よく‘オユー’(今日のユーモア=オヌレ ユーマー)と縮めて呼ばれるこのホームページは、保守指向ネチズンの集結地として知られた‘日刊ベスト’(イルベ)ホームページと対比されてきた。 去る大統領選挙過程では‘オユー’と‘イルベ’が進歩・保守陣営をそれぞれ代弁するオンライン空間の役割を果たしたと評価されている。 特に‘オユー’ホームページには大統領選挙期間を通じて文在寅 民主統合党候補と安哲秀(アン・チョルス)無所属候補を支持し、朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党候補を批判する内容の文が多く上がっていた。
実名認証が必要なく電子メールアドレスだけでIDを作れるこのコミュニティでは特定掲示文が多くの会員たちから‘推薦’を受ければ初期画面の上段に露出される‘ベスト掲示物’または‘ベスト オブ ベスト’等に分類される。 反対に3人以上の利用者が‘反対’の意思表示をすればたとえ‘推薦’が多くても‘ベスト掲示物’に上がることはできず、‘反対’が10件を越えれば‘ベスト オブ ベスト’に上がることもできない。 また、1ヶのIDで特定掲示文に重複的に推薦または反対をすることはできなくなっている。
会員たちの自発的で平等な参加を通じて良い文をより多く露出させようとするこのホームページの独特な編集方式はキム氏が複数のIDを同時に使った理由とも関連があるものと見られる。 一つのIDで活動すれば自身の政治指向が簡単に露出するので複数IDを通じて自身の露出を避けながら一個の掲示文に複数のIDで‘推薦’や‘反対’を反復的に意思表示して特定文の露出を阻んだり‘ベスト掲示文’に選ばれるようにしたのではないかという疑いが提起される。
警察はまた「キム氏の業務が何かは明らかにすることはできない」としつつも「キム氏がホームページにあげた掲示物の中には業務と関連した文もある」と伝えた。 キム氏が受け持っていた業務が進歩指向のインターネット サイトに親与党指向の文を書いたり、そこで情報収集することではないかという疑いを呼び起こす内容だ。
警察は4日キム氏を再召還して調査を行った後にキム氏の行為が公職選挙法に違反するか否かを判断する計画だ。 民主社会のための弁護士会のイ・ソ弁護士は「国家情報院職員が業務時間にこういう行動をしたとすれば公職選挙法と国家公務員法違反の素地がある。 また、国家情報院やセヌリ党の指示でしたのであれば国家機関が政治的中立義務に反する問題だ」と話した。
キム氏のインターネット活動が概略ではあるが明らかになるに従い、警察が3次大統領選候補放送討論会の直後である先月16日夜11時に「キム氏のコンピュータ ハードディスクから誹謗コメントは発見されなかった」という内容の報道資料を奇襲的に配布したことに対する非難も一層強まっている。 イ・グァンソク水西警察署長はこの日の記者懇談会で「キム氏の大統領選挙介入可能性がないと決めつけて話したことは性急だったと思われる」と説明した。
中間捜査発表を主導したキム・ヨンパン ソウル地方警察庁長官が責任を負わなければならないという声も高まっている。 パク・ヨンジン民主統合党スポークスマンは国会ブリーフィングで 「生半可な捜査結果発表で大統領選挙介入論難を起こした警察当局の責任を見逃さないことを明確にする。 選挙介入意図が疑われていて、すでに公正性を喪失したキム・ヨンパン ソウル警察庁長官は自ら責任を負う姿勢を見せなければならない」と明らかにした。 パク スポークスマンは「警察首脳部はキム・ヨンパン ソウル庁長を捜査指揮・報告ラインから除外して警察庁が警察の名誉を担って直接指揮することを促す」と付け加えた。
チョン・ファンボン記者 bonge@hani.co.kr