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[特別寄稿]米・中 新しい指導部登場に寄せて

登録:2012-11-14 10:51 修正:2012-11-14 10:52
オバマ・習近平 国内問題で‘手一杯’
韓国が‘ディテール’描いて北核解決を主導すべき

オバマ米国大統領の再選と、中国の習近平体制の登場を契機に韓半島と東北アジア情勢好転の機会にできるという展望が出てきている。 しかし現実を直視すれば、そのような変化を拒否する要因が随所に待ち受けている。

 よく米国を‘現状管理’勢力と言い、中国を‘現状維持’勢力と言う。 両国共に今現在の既存秩序を努めて変える余力を持ちあわせていない。 いわゆる‘財政絶壁’に立っている米国は大統領選挙過程でも経済と国内政治に直ちに影響を与えない対外問題にはほとんど関心を示さなかった。 対中関係、イランの核と中東問題程度であり、韓半島や北核はまともに挙論する暇もなかった。 中国の新しい指導部も貧富と都農の格差、腐敗、党内政治改革など難題を抱いてスタートする。 自分から先に立ち上がって垣根の外を直す暇はない。

米国‘財政絶壁’解決 宿題多数
中国、貧富格差・腐敗解消が至急の課題

 オバマ行政府1期の韓半島政策は明確だった。 スタート初期、北核、ミサイル実験など挑発的非協力を背景に‘戦略的忍耐’が登場した後、北核問題は解決対象ではなく管理対象になった。 北核が直ちに米国の安保を脅かす水準にならない限り、ワシントンはソウルの対北政策の後に立っているという一貫した姿勢を取った。 米国としては現実的な選択だった。 北核放棄に対する懐疑論まで提起される状況で、他の重要な変因が現れない限り、オバマ2期も韓半島で政治的採算のとれない外交事業を展開しはしないものと見られる。

 米国の外交的損益計算に影響を与えかねない変数は中国の協力、北韓の姿勢変化、そして韓国の外交資産投入能力の有無だ。 しかし、中国の新指導部が北韓の安定を揺るがす恐れのあるいかなる措置も取る可能性はない。 この間、中国は北韓が主張するいわゆる‘合理的安保憂慮’を米国が受け入れれば、中国も相応する対北措置を考慮すると示唆してきた。 米国の対北制裁解除と関係正常化をめぐってした話だ。 ところが米国が先にそのように動く展望はない。

 かと言って北韓が先に核とミサイルを放棄する姿勢を見せそうにもない。 北韓の新指導部がたとえ表面的に改革的ジェスチャーを取っているとしても、核問題に対して先に第一歩を踏み出すと期待することは難しい。 結局、局面を動かしてみようという意志と能力は韓国に求めざるを得ない。

 わが国はどうか。12月に大統領選挙を控えて各候補の外交安保ショーケースには性能テストがなされていない商品でいっぱいだ。 北核問題の進展なしには作動させにくいものが大部分だ。 4年前に中断された北核解決の初歩段階である不能化作業を完了する方策も提示できぬまま、総論的希望だけが乱舞している。

韓国が‘北核解決法’各論を作り
米国と協力し中国を参加させるべき

 今や韓国が北核解決の各論の下絵を描いて、米国と協議し中国を参加させるという韓国の自主的外交の道具箱を拡大しなければならない。 そこに東北アジアで米・中間の調和空間を作る道があり、私たちの未来がある。 米・中の新指導部が登場するので何か試みてみるという期待だけでは何も変化させられない。

 米国も韓国民の多数がこれ以上‘戦略的忍耐’を甘受できないことを理解するだろう。 韓国が先頭に立てば米国も共に‘戦略的投資’を選択せざるを得ないだろう。 韓・米同盟は韓半島と東北アジアの平和と安定、共同の繁栄、そして何より韓半島の統一に寄与すると見なされる時に成功できる。

 中国もボールを米国に押し付けるよりは、積極的な役割への転換が必要だ。 そうでなければ中国が望む韓半島の安定的現状維持が当然視されえないためだ。 北韓も韓国の次期政府を誰がしようが、体制転換や吸収統一ではなく南北が一つの共同体として安らかに共存してみようという政策を行うべきだと分かっているだろう。 ひとまず核・ミサイルの活動凍結を宣言するという姿勢で対話に乗り出し応えなければならない。

 問題は韓国の次期政府がこの大きな流れをまともに読んで、米. 中・北を引っ張っていけるかだ。 今や私たち国民も派手な総論に誘惑されるよりは各論が着実なのか几帳面に確認すべき時だ。

ソン・ミンスン前外交通商部長官長官

韓国語原文入力:2012/11/12 20:23

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/560233.html 訳J.S(1906字)
http://english.hani.co.kr/arti/english_edition/e_editorial/560340.html

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