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木枯らしすさぶ鉄塔上に張り付いて暮れる1年

登録:2012-12-31 00:54 修正:2012-12-31 09:20
現代車不法派遣 高空籠城 75日
労使交渉 成果見ないで年を越す
裁判所 "一日30万ウォンずつ韓電に賠償せよ"
労組 "金で労働者を圧迫" 反発
社内下請け労働者の正規職転換を要求して現代自動車蔚山(ウルサン)工場近隣の送電鉄塔で高空籠城中の現代車社内下請け解雇者チェ・ビョンスン(右側)氏とチョン・ウイボン氏が、去る23日 自分たちの健康状態を検診するためクレーンに登ってきた医療スタッフたちを迎えている。 蔚山/ニューシス

 最高裁が‘不法派遣’と認めた現代自動車社内下請け解雇労働者チェ・ビョンスン(36)氏が、現代車蔚山工場近隣の送電鉄塔で高空籠城を行い30日で75日目を迎えたが、‘社内下請け労働者の正規職転換’を巡る労使交渉が堂々巡りして年を越すことになった。

 チェ氏とチョン・ウイボン(31)氏が最高裁判決にともなう社内下請けの不法派遣認定と正規職転換を要求して高空籠城を始めた後、現代車は社内下請け業者とともに正規職・非正規職労組を相手に6回の特別交渉を行ったが、未だ解決の糸口を見つけることができていない。

 現代車は当初2015年までに社内下請け3000人を正規職として新規採用するという態度から、高空籠城以後には最高裁判決の当事者であるチェ氏を正規職として採用し新規採用人員を2016年まで3500人に増やすという案を出した。 また、2010年1工場占拠ストライキによる社内下請け解雇者114人の内100人を該当業者に再入社させるという案も提示した。

 これに対し社内下請け非正規職労組は「会社が裁判所判決にともなう不法派遣を認めない限り、社内下請け何千人を新規採用しようが無意味だ。 最高裁判決を履行せずに不法派遣を隠そうとする姑息な手」として反発した。

 それでも現代車側は最近、交渉が合意していない状態で社内下請け労働者を対象に正規職採用募集を押しつけ、正規職・非正規職労組の反発を買った。

 去る27日には正規職労組が‘会社側が進展した案を出せば非正規職労組の同意がなくとも交渉委員の多数決で暫定合意する’という態度を示し、非正規職労組員が正規職労組交渉団を封じ込め交渉が失敗に終わる状況まで起きた。 正規職労組は「年内に不法派遣正規職化問題を終えて新年には昼間連続2交代の定着に力を注ごうとしたが深刻な状況に陥った」と明らかにした。

 非正規職労組は「交渉結果が適用される当事者の意見を排除して暫定合意するのは交渉を破局に追い込む行為」と反発した。 高空籠城中のチェ氏は「会社側が不法派遣を認め判決と法に則り社内下請けを正規職化するならば、対象と範囲を折衝する余地があると見るが、会社側が不法派遣を認めないならば事態解決は遠ざからざるを得ない」と話した。

 こうした中で蔚山地方裁判所が去る27日、韓国電力と現代自動車が起こした仮処分申請を受け入れ‘鉄塔籠城者と非正規職労組に籠城の中断、テントなどの施設撤去などをしなければ、一日に30万ウォンずつ韓電に支払え’と命令し、非正規職労組員はより一層反発した。 非正規職労組は「鉄塔にまで上がり絶叫しなければならない切迫した状況を考慮せずに、金で籠城を圧迫する態度は理解できない」と指摘した。

 チェ氏は「労働者が申請する捜査要求や裁判は遅々として進まないのに、使用者が提起した裁判や仮処分申請に対する結果はいち早く出てくるようで苦々しい」と語った。

蔚山/シン・ドンミョン記者 tms13@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/567600.html 韓国語原文入力:2012/12/30 20:42
訳J.S(1555字)

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