現代自動車蔚山工場近隣の送電鉄塔上で24日で69日目の高空籠城中の現代車社内下請け解雇労働者チェ・ビョンスン(36)氏は、会社の外注警備員の暴力で外傷性ストレス障害を病んで3日前に自ら命を絶った現代重工業社内下請け解雇労働者イ・ウンナム(41)氏の便りに「ウンナム兄貴、兄貴…」と言いながら悲しんだ。
チェ氏はこの日<ハンギョレ>との通話で「ウンナム兄貴とは2003年のほぼ同じ時期にそれぞれ現代車と現代重工業で社内下請け労組を作り、しばしば会って酒も飲み話もたくさんした。 責任感が強く黙々と自分の仕事に最善を尽くした方だった」と彼を回想した。 彼は「兄貴が2004年のクレーン籠城の時、外注警備員にひどく殴られ精神的衝撃を強く受けたと理解しいている。 現代車非正規職暴力事態、韓進重工業労組幹部自殺の消息を聞いて自身の経験が重なり耐え難かったようだ」と話した。
チェ氏は「労働者にとって解雇は間接殺人であり社会的他殺行為だ。 企業が労組を弾圧しながら加える物理的暴力、それによる精神的損傷が死にまでつながりうる事実が(解雇労働者が相次いで自殺したり命を失った)双龍(サンヨン)自動車に続いて再確認された」と話した。
チェ氏は「労働者の相次ぐ死に対して社会が沈黙してはいけない。 整理解雇問題はさらに厳格に規制されなければならず、労働3権も幅広く保障されなければならない」と強調した。 彼は最高裁が2度も不法派遣判決をしたにも関わらず、未だに会社に戻れずにいる。 去る21日には鉄塔で一緒に籠城中のチョン・ウイボン(31)氏が足に凍傷を負った上に、服まで雨にぬれて鉄塔の籠城テントで携帯用ガス暖炉をつけて寝て、低酸素症で意識を失う事態も起きた。 現代車と非正規職労組は‘社内下請け労働者の正規職転換’を巡り見解の違いを狭めることができない中で、21日には部分ストライキと代替人材投入で対抗し衝突して多数が負傷した。
イ・ウンナム氏の葬儀室が整えられた蔚山大病院葬儀場には全国民主労働組合総連盟蔚山本部と全国金属労働組合、現代重工業下請け支会の幹部と労組員が葬式準備に忙しく動いた。 ハ・チャンミン金属労組現代重工業社内下請け支会長は「現代重工業社内下請け労働者が2万5000人余りと把握されているが、労組に加入した労働者は100人余りに過ぎない。 社内下請け労働者は会社の弾圧で劣悪な労働条件、常時的な雇用不安に苦しめられながらも労組加入は徹底的に封鎖されている」と訴えた。
蔚山/シン・ドンミョン記者 tms13@hani.co.kr