"労働者の自殺はその絶望感がどのようなのかを語るものです。 彼らの死は個人的自殺ではなく労組を無力化し断崖に追い詰めた‘社会的他殺’です。 新政府の下ではこれ以上整理解雇があってはなりません。"
キム・ジンスク(52・写真)民主労総釜山本部指導委員は22日夜、韓進重工業労組幹部故チェ・ガンソ(35)氏の葬儀室が整えられた釜山影島区の区民葬儀場で<ハンギョレ>記者と会って「朴槿恵(パク・クネ)大統領当選人が経済民主化と国民大和合を語っているが、私たちが入れる空間があるか疑わしい」としてこのように話した。
大規模整理解雇撤回を要求して昨年高さ35mの韓進重工業釜山影島造船所のクレーンで309日間高空籠城を行ったキム指導委員は、21日チェ氏の訃報を聞いて駆け付け号泣した。 彼女は「チェ氏は私がクレーン籠城した時、毎日携帯メールを送って激励してくれた労働者だ。 当時クレーンの中間まで上がってきて‘食べないなら私も断食する’と力を吹き込んでくれてとても有難かった」として目がしらを赤く染めた。
キム指導委員は「チェ氏が遺書で‘朴槿恵(パク・クネ)が大統領になって再び5年(闘争)できない」 と書いたことが現在の労働者の気持ちを代弁している。 労働者が今どれくらい不安に思い絶望に陥っているかを政界と資本家は知らなければならない」と話した。 彼は「チェ氏死は個人的自殺ではなく社会的他殺だ。 資本家には整理解雇者人員がただの数字に見えるかも知れないが、整理解雇者たちは1人1人が生命で家族の生計に責任を負っている人々だ。 新政府の下では整理解雇があってはならない」と強調した。
2日間にわたり葬儀室を守った彼女はインタビューの間、一貫して絶望感に陥った他の労働者を心配した。 彼女は「チェ氏が亡くなった後、誰かが電話をかけてきたが、話をしないで電話を切りました。 (また別の労働者が極端な選択をするのではと思えて)胸がガタガタと音を立てます」と話した。 彼女の憂慮にもかかわらず、インタビューをする直前にまた1人の解雇労働者が自ら命を絶った。
キム指導委員は「チェ氏を含めた整理解雇者90人余りが1年10ヶ月ぶりに(韓進重工業に)復帰するやいなや、会社では仕事がないという理由で休職命令を下した。 会社が支給している100万ウォン程の休業手当てでは整理解雇期間に作った借金と生活苦に耐えることは難しかっただろう」と話した。 昨年11月、労使合意の後に会社側が整理解雇闘争を主導した労組を孤立させてきたこともチェ氏を死に追いやった背景の一つと彼女は挙げた。 会社側は今年1月にスタートした穏健指向の新労組と賃金団体協約を行い9月に妥結させた。 さらに会社側は26日までに既存労組の事務室を明け渡せと圧迫した。
キム指導委員は「新労組に行ったからと言って雇用が保障されるわけでもなく、仕事もない。 今は自分一人で生きていこうとするのではなく、皆が同じく力を集めなければならない。 死をもって(同僚に) ‘帰ってきなさい’と言ったチェ烈士の心を一度でも推し量ることを望む」と訴えた。 釜山/キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr