2010年11月23日、北韓の延坪島(ヨンピョンド)砲撃当時、軍の情報機関が事前に砲撃の兆候を捕捉し大統領府と国防部長官など20ヶ余りの機関に知らせていたにも関わらず、現政府と軍指揮部がこれを握りつぶしていた情況が明らかになった。国防部は砲撃の翌日に開かれた国会国防委員会で事前に砲撃の兆候情報があったという事実を隠蔽していたことが分かった。
13日<ハンギョレ>が軍の前職高位要人から入手した情報参謀部の‘随時諜報報告’を見れば、延坪島砲撃(午後2時34分)の3時間前である午前11時30分に"接敵海域一帯に火力挑発の可能性" を警告したと出ている。 この報告書の宛先には国防部長官と合同参謀議長などの軍指揮部はもちろん、大統領府と国家情報院も含まれている。 情報参謀部は火力挑発が差し迫った兆候として‘北の弾薬車両の動きを捕捉し、レーダーと必須通信網が活動しており指揮官が現場で指揮している’という具体的な根拠まで提示したが、軍指揮部はこれを北の通常的威嚇程度に認識して何の対応措置もしなかった。
情報参謀部はその日午前11時30分「通信内容と展開勢力活動考慮時、現在のところ我軍射撃訓練に対する監視/勤務を強化していると判断され、即刻火力挑発切迫兆候は未識別される」としながらも「しかし海岸砲展開/新鋭機前方展開識別、‘即時的な物理的措置’警告を考慮時、接敵海域一帯に火力挑発の可能性があり装備追加展開/火力挑発切迫兆候監視を強化する」と報告した。 これに先立ち11時15分にも「接敵海域一帯に火力挑発およびNLLに近接、武力示威飛行の可能性があり火力/空中挑発の兆候を集中監視」していると報告した。
当時わが軍は、海兵隊の護国訓練(11月22~30日)に対抗して北が特別警戒勤務2号に切り替えた状態であり金正日当時国防委員長が黄海南道(ファンヘナムド)龍淵(ヨンヨン)イリデ警戒施設を訪問するなど普段とは異なる急迫した動きを感知していた。 また、砲撃当日の午前9時40分頃にはミグ23 5機とヘリコプター1機が作戦に投入されたことまで詳細に把握していた。
このような内容の諜報を事前に入手していながら、わが軍は北韓が砲撃を始める時まで何の措置も取らなかった。 わが軍は北が砲撃を始めて13分後に対応射撃を行い、護国訓練中であったにも関わらず北の射撃原点を捜し出さなければならない探知レーダーが墨壷(間抜け)状態だった。 またK-9自走砲6門中の3門は使用不能であったことが明らかになった経緯がある。
キム・ボヒョプ記者 bhkim@hani.co.kr