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現代自動車‘不法派遣’ 8年ぶりに認める…‘認定範囲’めぐり綱引き 予告

登録:2012-11-14 09:01 修正:2012-11-14 10:08
最高裁判決‘知らぬフリ’で一貫
鉄塔籠城など社会的争点 拡散
現代車 非難世論 ますます大きくなるや
"交渉を通じて解決" へ急旋回
労組は "生産工程全体が対象"
現代車は最高裁基準を厳格に適用
15日に予定された交渉で最大争点になる公算
現代自動車非正規職・正規職労働者が去る8日夜、蔚山(ウルサン)北区(プック)明村洞(ミョンチョンドン)の現代自動車近隣、チェ・ビョンスン(36)氏らが高空籠城している送電塔前で‘社内下請け非正規職労働者の正規職転換’を要求するスローガンを叫んでいる。 蔚山/パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

 現代自動車が問題化して8年目にして自動車生産工程の不法派遣を事実上認めたことは、不法的に非正規職を使ったことに対する社会的非難をもはや甘受し難いという判断のためと解説される。 最高裁と雇用労働部、労働委員会までが現代車に対して不法派遣だと認めた状況にも関わらず、現代車はこの間一貫して居座りを決め込んできたが、これに対し社内下請け労働者2人が鉄塔高空籠城を行うや現代車に対する非難が広がった。 現代車が結局、不法派遣を認定したために、どこまでを不法派遣と見るかが今後の労使交渉で最大争点になるものと見られる。 現代車と正規職・非正規職労組の交渉は15日に予定されている。

■‘不法派遣’認定なぜ?

 現代車は不法派遣問題においては事実上‘社会的孤立’した状態であった。 現代車が最高裁判決まで無視して不法派遣を認めないことに対して、労働界はもちろん政界、市民社会、労働部長官までが乗り出して強く批判した。‘不法事業場’の烙印が捺され、企業イメージにも相当な打撃を受けた。 鉄塔高空籠城以後、現代車非正規職労働者の闘争と各界の連帯も力を得ている。 現代車非正規職支会キム・サンノク政策部長は「現代車問題が社会・政治的争点になったので会社が不法派遣を認めざるをえなくなった」と話した。

 現代車が問題解決のために攻勢に転じたという分析も出ている。 どのみち現代車は社内下請け労働者の中から‘3000人+アルファ’を正規職として採用する用意ができた状態であった。 この間、不法派遣認定を避けてきた背景には、いったいどこまでを不法派遣とみるべきか判断が容易ではない状況で、ややもすると生産工程全体が不法派遣と認定されかねないという憂慮が作用した。 現代車は社内下請けの使用理由について、費用よりは労働柔軟性が優先すると何度も明らかにした。 経済危機状況で正規職解雇が難しいだけに、社内下請けが一定規模は必要だという話だ。 これに伴い、現代車は不法派遣を認めるなど‘譲歩’をしながら不法派遣規模を最小化する方向で交渉に出てくる可能性が高い。 正規職補充規模を‘3000人+アルファ’で維持するものの、不法派遣にともなう正規職転換と新規採用を併行するという展望が優勢だ。

■不法派遣範囲 激論 予告

 現代車でどこまでを不法派遣と見るかは、狭くは製造業、広くは全産業に影響を与えるものと見られる。 我が国の300人以上企業の41.2%が社内下請け労働者を使っている。 不法派遣と認定されれば下請け労働者の雇用形態が正規職へ180度変わるという側面で影響が大きい。

 現代車は最高裁基準を厳格に適用する方針だ。 現代車関係者は「最高裁が提示した不法派遣基準の全てを満足する下請け勤労者だけを不法派遣と見るだろう」と話した。 最高裁勝訴判決を受け取ったチェ・ビョンスン氏は自動車を組み立てる艤装ラインで正規職と混じって仕事をしていたが、このような条件を几帳面に適用するということだ。 自動車の生産工程は組立、塗装、プレス、品質管理、エンジンなど多様な工程で構成されている。

 反面、現代車非正規職支会は最高裁と雇用労働部の場合、現代車(元請)が下請労働者に対して指揮・命令をしたかどうかを不法派遣の基準として見ているので、このような点に照らせば生産工程全体が不法派遣だと見ている。 7700人余りの生産職下請労働者が全員正規職転換対象という話だ。 実際、最高裁は下請労働者チェ氏の事件を扱いながら、チェ氏1人ではなく、現代車の生産工程を不法派遣と見た。 最高裁は「現代車は社内協力業者の勤労者たち(下請労働者)に対する一般的な作業配置権と変更決定権を有していて、作業量と作業方法、作業順序などを決めた」として「社内下請業者に所属する現場管理人らが下請労働者に具体的な指揮・命令権を行使したと言っても、これは現代車が決めた事項を伝達したに過ぎない」と判決した。

 また「社内下請労働者はコンベヤーベルトの左右に正規職と共に配置され、現代車所有の生産施設および部品などを使って、現代車があらかじめ作成・交付した各種作業指示書などによって業務を遂行している」と見た。 現代車が下請労働者に指揮・命令しているという点を明確にしたわけだ。

 労働部も2004年に現代車蔚山・全州・牙山工場の127ヶの社内下請業者と9234ある全ての工程に対して不法派遣と認定した経緯がある。

キム・ソヨン、キム・ギョンナク記者 dandy@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/560493.html 韓国語原文入力:2012/11/14 08:28
訳J.S(2264字)

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