北朝鮮女子サッカーチームが、アジアサッカー連盟(AFC)の大会への参加のために韓国を訪れる。2020年6月に北朝鮮の開城(ケソン)工業団地の南北共同連絡事務所の爆破後、南北間の有意義な対話が途絶えて6年が経過するなかで伝えられた知らせだ。なにより嬉しく、感激の気持ちがまずわいてくる。国際スポーツ大会であるだけに、韓国政府が過度な「政治的意味」を付与するよりも、久々に訪ねてきた同胞の選手たちを温かく迎えるなど、側面的な支援を充実させることが賢明だと思われる。ただし、南北対話が断絶した「非正常的な状況」が少しでも改善されるよう、“水面下”で最善の努力をつくしてほしい。
大韓サッカー協会は4日、北朝鮮の「わが郷土女子サッカー団」がアジアサッカー連盟女子チャンピオンズリーグ(AWCL)への出場のために17日、仁川(インチョン)国際空港経由で来ることを明らかにした。北朝鮮選手団が南側を訪問するのは、2018年末以来8年ぶりで、女子サッカーチームに限れば、2014年の仁川アジア競技大会以来、12年ぶりとなる。2012年に平壌(ピョンヤン)を本拠地として創立された「わが郷土女子サッカー団」は20日、「水原(スウォン)FCウィメン」を相手に準決勝を戦うことになる。大統領府は「政府は選手団が試合を円滑に行えるよう、協力していく」と述べた。
北朝鮮女子サッカーチームの訪問が関心を集めるのは、米国のドナルド・トランプ大統領の14~15日の北京訪問を前にして、「微妙なタイミング」であるためだ。中東戦争に気を取られているトランプ大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総秘書兼国務委員長との面会に意欲を示すのかどうかは予測が難しい。一方、金委員長側に思惑があるのであれば、このような国際イベントを活用し、南側との意思疎通ルートを開くだけの十分な理由になる。何しろ8年ぶりに南側に選手団を派遣するのだから、それに見合った「政治的配慮」をしないわけがない。北朝鮮は、2021年には今回の大会よりはるかに重要な2022年カタール男子ワールドカップ第2次予選の残りの試合を韓国で行うことになると、果敢にも「不参加」を表明した。
北朝鮮が「事実上の核保有国」の地位を確保し、「敵対的な2国家」を前面に打ち出し始めたことで、南北関係が大きな困難に陥ったのは事実だ。朝鮮労働党のキム・ヨジョン総務部長は先月6日にも、「無人機侵犯」に遺憾の意を表明した李在明(イ・ジェミョン)大統領に対して、「非常に幸いで、自らのための賢明な処置」だとしながらも、「(北朝鮮との)いかなる接触の試みも断念すべきだ」という冷淡な反応を示した。しかし、過去の南北交流史を振り返れば、2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪のときのように、スポーツイベントを通じて関係が急激に改善された例を少なからず確認できる。過度の期待は禁物だが、早々とあきらめる理由もない。