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[特派員コラム]「汚染水取材」での東京電力の韓国メディア選別

登録:2023-07-21 07:22 修正:2023-07-30 23:01
福島第一原発の敷地のタンクに保管中の放射性物質汚染水/聯合ニュース

 日本の東京電力福島第一原発に保管中の汚染水の海洋放出が目前に迫っている。4日に「国際安全基準に合致する」という国際原子力機関(IAEA)の最終報告が発表され、関連の行政手続もすべて完了した。来月中の放出の可能性が高い状況において、汚染水の安全性をめぐる論議は今もなお熱い。

 東京電力の不透明で無能な対応は、不信をいっそう強めている。汚染水の安全性を判断するために最も重要なことは、放射性物質を除去する多核種除去設備(ALPS)の性能を確認する作業だ。そのため、今でも様々な国が試料採取を要求しているが、東京電力は特別な説明もせず拒否している。IAEAでさえ直接には試料を採取できなかったほどだ。

 原発近くの海で獲られたクロソイやアイナメなどから基準値以上の放射性物質が検出されている点も問題だ。東京電力は、人体に致命的な「セシウムにまみれた」魚がなぜ獲れたのか、正確な理由は分からないと説明する。原発の爆発によって放射性物質が流出して12年、その間東京電力は何をしていたのか。原発近くの海と海底土壌はいったいどのような状態なのか。そうした状況のもとで汚染水を30~40年にわたり海に流すということであれば、周辺国が不安を感じるのは当然だ。

 東京電力の非常識な行動は繰り返され続けている。東京電力は今月初め、外国メディアの取材を支援する日本フォーリン・プレスセンター(FPCJ)を通じて、福島第一原発の現場取材の申請を受けた。21日の一日の日程だが、放出設備を直接見て回ることができるよい機会だと考えた。

 結果を伝えられ、あきれてしまった。申込書を提出した韓国の新聞社・通信社のうち、ハンギョレだけが選ばれなかった。地上波では文化放送(MBC)だけが除外された。外国メディアを対象にした福島第一原発の取材は、今回が初めてではない。コロナ禍が終わった昨年11月と今年2月にも、フォーリン・プレスセンターを通じて実施されたことがある。その時は韓国メディアからは1社だけが選ばれたので、結果に納得した。今回は状況が違う。何より、今回に先立ち現場取材に参加した報道機関2社は、今回も選ばれている。センターに公平性の問題を指摘し、選定基準を問い質したところ、東京電力が決めたものだと伝えてきた。東京電力はこれまで明確な返答はしていない。

 ハンギョレとMBCの共通点といえば、他の報道機関に比べ、汚染水放出に対する懸念を込めた記事を多く報道してきたという点だろう。批判記事を多く書いたという理由で、韓国を代表して取材している報道機関を排除したのであれば、軽く流せる事案でない。在日韓国大使館に公式に問題を提起し、日本外務省と東京電力に懸念を伝えてほしいと要請した。

 形式を重要だと考える日本において、外国メディアを相手にこのように露骨に選別するのはめったにみられないことだ。なぜこうしたことが可能だったのだろうか。おそらく、そのようにしても大丈夫だと考えたのだろう。

 大統領を批判したとして国外歴訪取材の際に専用機への搭乗を拒否したり、大統領が公式の記者会見を後回しにして好みの報道機関の記者だけ別途呼んで会うような韓国の状況を、日本もよく知っている。7日に訪韓したIAEAのラファエル・グロッシ事務局長も、日本とは違って韓国では報道機関数社を選別し、インタビューを進めた。民主主義の重要な軸である報道の自由が各所で崩れ始めた。

//ハンギョレ新聞社

キム・ソヨン|東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1101075.html韓国語原文入力:2023-07-21 02:35
訳M.S

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