本文に移動

中国、日本産水産物を全面的に放射線検査…汚染水放出に「応戦」

登録:2023-07-20 05:40 修正:2023-07-20 08:11
岸田首相、中国に「科学的根拠に基づく議論を求める」
福島第一原発の敷地のタンクに保管中の放射性物質汚染水/AP・聯合ニュース

 中国政府が、日本産水産物を輸入する際に放射線検査を全面的に実施していると報じられた。福島第一原発の汚染水の海洋放出を押し切ろうとする日本政府に圧力をかけるための措置とみられる。

 東京新聞は19日、複数の中国と日本の関係者の話を引用し、「中国税関当局が日本からの輸入海産物に対する全面的な放射線検査を今月から始めたことが18日分かった」とし、「日本の外務省と農林水産省は対応の協議を始めた」と報じた。

 2011年3月の東日本大震災にともなう福島第一原発の爆発事故で放射性物質が海に流出した後、中国政府は福島県など10地域の水産物に対して輸入禁止を維持している。その他の地域については、輸入する際に水産物の一部だけをサンプル形式で抽出し、放射性物質の検査をしてきた。

 今回、規制が強化されたことによって、日本産の輸入水産物一つひとつに対して検査を始めた。冷蔵品は約2週間、冷凍品は約1カ月間が必要とされると発表された。検査に時間が非常に長くかかっており、水産物の鮮度維持が難しく、輸入に支障をきたしている。中国の上海にある日本食レストランの経営者は共同通信に、「日本からの海産物が今月13日以降届かなくなり、スペイン産マグロに切り替えた」と証言した。

 中国税関の今回の措置は、来月に予定されている日本の汚染水放出によるものだ。中国税関総署(税関)は7日、「処理水の海洋放出が食品に与える影響を注視している。適時に必要な措置を取り、中国の消費者の安全を確保する」と警告したことがある。この発表の直後、日本産水産物の検査が強化された。

 日本の農林水産省は昨年、中国に輸出された水産物は871億円に上ると明らかにした。NHKは「(日本の水産物の輸出額は中国が)国や地域別の中で最も多いだけに影響が広がることが懸念されている」と強調した。

 日本の岸田文雄首相は、汚染水放出を強く反対している中国に対して不満を表明した。中東を歴訪中の岸田首相は18日、中国に対して「IAEA(国際原子力機関)包括報告書において、関連する国際安全基準に合致していると結論が示された」として、「科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求める」と述べた。

 西村康稔経済産業相もこの日、記者団に「中国に対しては、科学的観点からの(日本と中国の)専門家同士の意思疎通を行う用意がある旨、累次にわたって申入れをしている」と述べた。だが、中国側が拒否していることが分かった。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1100823.html韓国語原文入力:2023-07-20 02:30
訳M.S

関連記事