本文に移動

[社説]日本は佐渡金山の世界遺産推進強行に伴う韓日関係悪化に責任を負うべき

登録:2022-01-29 06:18 修正:2022-01-29 07:20
佐渡金山遺跡の一つである道遊坑内部の様子=共同通信・聯合ニュース

 日本政府が日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人強制労働の被害現場である「佐渡島の金山(佐渡金山)」のユネスコ世界文化遺産登録申請を強行することにした。岸田文雄首相は28日夕方、佐渡金山の世界遺産登録推薦について「本年申請を行い、早期に議論を開始することが登録実現への近道であるとの結論に至った」と発表した。

 日本政府が2015年に軍艦島(端島)をユネスコ世界遺産に登録する際に強制動員の歴史について知らせるという約束も守っていない状況で、佐渡金山の登録申請まで強行することにしたのは、韓日関係を再び「歴史戦」に追い込む無責任な行動だ。佐渡金山は太平洋戦争中に約2千人の朝鮮人が強制労働に動員された悲劇の現場であるが、今回の推薦書は対象期間から日帝強占期を除外した。強制動員の歴史を覆い隠そうとする姑息なやり方だ。

 今回の登録申請を、安倍晋三元首相をはじめとする自民党の極右勢力が強く主張した点も、韓日関係に暗い影を落としている。岸田政権はこれまで、韓国の反発を意識し、登録申請を来年に先送りする案を考慮するなど、比較的慎重な態度を示してきた。昨年4月、日本の強い要求で、「世界の記憶」(世界記憶遺産)の登録の際、加盟国が反対した場合ひとまず審査を中止し、期限を定めず当事国間の話し合いを続ける新制度が導入された点も、日本側の態度に影響を及ぼした。日本軍「慰安婦」関連記録物が「世界の記憶」に登録されるのを防ぐために導入した同制度により、佐渡金山が世界文化遺産に登録される可能性が低くなったと判断したのだ。ところが、安倍元首相が26日、フェイスブックに「(韓国側に)歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」という書き込みを残し岸田政府に圧力をかけたことで、岸田首相も立場を変えざるを得なかったと日本のメディアは報じている。岸田政権は登録申請を見送った場合、5月の新潟県知事選挙や7月の参議院選挙に影響を及ぼしかねないという国内の政治的状況も考慮したものとみられる。

 日本の政界で「反韓」や「嫌韓」を主要動力とする極右勢力の影響力が大きくなったのが、ここ数年で韓日関係が最悪の状態に陥った主な原因の一つだ。日本の佐渡金山の登録申請の強行は、強制動員と「慰安婦」被害者に対する謝罪と賠償問題、日本の輸出規制などに続き、韓日関係をさらに深い泥沼に陥れることになるだろう。日本政府は、佐渡金山を世界文化遺産に登録しようとする試みを直ちに中止し、軍艦島の強制動員の歴史を正しく伝えるという国際社会との約束をまず履行しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1029253.html韓国語原文入力:2022-01-28 20:51
訳H.J

関連記事