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安倍元首相など保守派の圧力…岸田首相「佐渡金山の世界遺産登録申請を推進」表明

登録:2022-01-28 20:32 修正:2022-01-29 07:54
安倍元首相など自民党保守派に白旗掲げた岸田首相 
登載可能性低く保留を考えたが立場変更 
韓国政府「強い遺憾を表明、中止せよ」要求 
新潟県の佐渡金山の象徴とされる金の採掘現場だったV字峰「道遊の割戸」=佐渡市ホームページより//ハンギョレ新聞社

 日本政府は、朝鮮人が大規模に強制動員された新潟県の佐渡金山のユネスコ世界遺産登載申請を強行することにした。韓国政府はこの日、外交部報道官名義の声明を発表し「度重なる警告にもかかわらず登録を推進することを決めたことに対し、強い遺憾を表明する」として「このような試みを中止することを厳重に求める」と明らかにした。

 岸田文雄首相は28日、東京の首相官邸で、佐渡島の金山をユネスコ世界遺産に推薦することを表明した。岸田首相は記者団に対し「本年申請し、早期に議論を開始することが登録実現への近道との結論に至った」とし、2月1日の閣議を経てユネスコに申請することにしたと述べた。2023年に世界遺産の登録審査を受けるためには、日本政府が来月1日までにユネスコに推薦書を出さなければならない。共同通信は「通例であれば、ユネスコ諮問機関が秋ごろに現地調査し、2023年5月ごろに登録の是非を勧告。その年の夏に世界遺産委員会の審査を受ける」として「(登載に反対する)韓国との2国間協議を促され、審査を棚上げされる可能性がある」と報じた。

 岸田政権が佐渡金山のユネスコ登載申請を強行することで、日本の強い要求で新たに設けたユネスコの手続きを自ら否定しているという国際社会の非難は避けがたいとみられる。小野日子外務報道官は26日、定例記者会見で「世界遺産委員会でも推薦前に(反対意見などがある場合)当事者間の対話を促す指針が昨年7月用意された」と話した。

 昨年4月、ユネスコ世界記録遺産登載を推進する時に会員国が反対すれば審査を中断した後に期限を定めずに当事国間の対話を継続するようにする制度が日本の強力な要求で導入されたが、世界遺産にも同様の趣旨の指針ができたという意味だ。こうした理由で岸田首相と日本外務省は佐渡金山のユネスコ世界遺産登載の可能性を低く見た。韓国政府は日本の佐渡金山の世界遺産搭載推進に対して「非常に嘆かわしい」として反対の立場を明確にしたことがある。

 だが、安倍元首相など自民党内の保守派が強く反発し、日本政府内の雰囲気が変わった。安倍元首相は26日、SNSに「歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」と書いた。2015年の「軍艦島」(端島)を含む「明治日本の産業革命遺産」のユネスコ世界遺産登載当時を取り上げ「その時も登載されない危険があったが、先送りしても事態が変わらないと判断した」と強調した。それに加えて岸田政権は登載を先送りする場合、5月の新潟県知事選挙や7月の参議院選挙に影響を及ぼしかねないとも考えたと見られる。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1029208.html韓国語原文入力:2022-01-28 19:26
訳J.S

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