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[社説]日本の外交官の「非常識」発言、日本政府は謝罪しないのか

登録:2021-07-19 06:39 修正:2021-07-19 09:39
相馬弘尚駐韓日本大使館総括公使/聯合ニュース

 16日夜に報道された在韓日本大使館の相馬弘尚総括公使の発言は、極めて非常識で無礼だった。報道翌日の早朝に相星孝一在韓日本大使が至急報道資料を出し、遺憾の意を表明したのも、事の深刻さをわかっていたからであろう。しかし、それさえ不適切な言い訳が目立つ。日本政府が乗りだして十分に謝罪し、相馬公使に対する迅速な後続措置を取らなければならない。

 相馬公使は15日、韓国メディアとの昼食を兼ねた会談の場で、「日本政府は韓国が思うほど両国関係に気を使う余裕がない」「文大統領がマスターベーション(自慰行為)をしている」などと発言した。相馬公使は「私的な席だと考え、韓国外交の傾向を説明したもの」だとし、「文大統領を指したものではなかった」と釈明したという。相星大使も報道資料で「懇談中の発言」だと前置きし、非公式の席上での発言だったことを強調した。彼は相馬公使に単に「厳重注意した」と説明しただけで、明確な謝罪や懲戒方針などは明らかにしなかった。私的な席で起きた個人のミスに限定しようとする印象を受ける。

 何より、日本大使に次ぐ序列である外交官が、駐在国の記者と会う席を完全に私的な席とみなすのは難しい。しかも、駐在国の女性記者を相手にそのような表現を用いたのは、高位の外交官としての最小限の性認知感受性(ジェンダー・センシティビティ)すらも備えていなかったことを示したものだ。日本は苦しい言い訳で国の品格を自ら損ねず、丁重に謝罪してほしい。

 問題の発言が文大統領に対してではなく韓国外交の傾向を説明したものだとする相馬公使の釈明も、呆れたものだといわざるを得ない。今回の事態が韓日関係に対する日本の頑固な認識から始まったことを新たに確認できる。議論に埋もれたが、当時の相馬公使の発言の要旨は、日本軍「慰安婦」被害の解法策と強制動員被害者への賠償問題について、「韓国が答案用紙を提出しなければならない」という内容だった。相馬公使の問題発言は、韓国が解決策を設けないまま文大統領が訪日し、韓日首脳会談をしようとしているとして強く非難する中で出た。

 今なお韓国政府は、韓日首脳会談を通じて両国関係の転換点を作ろうとする努力をやめないという態度だ。このような状況だと、「文大統領は23日の東京五輪開会式に参加しなければならないのか」という疑問が国民の間から出るのは避けられないだろう。日本政府の可視的な措置が前提となることを、韓国政府も明確に示してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1004019.html韓国語原文入力:2021-07-19 02:07
訳M.S

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