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[社説]「韓米作業部会」終了、南北・朝米の好循環の枠組みを作るべき

登録:2021-06-23 05:38 修正:2021-06-23 06:33
21日、外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長(右側)と米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表が、北朝鮮核問題首席代表協議に先立ち取材陣の前に立っている/聯合ニュース

 対北朝鮮政策を調整する目的で発足したのにもかかわらず南北関係の改善の“障害物”に変質したという批判を受け入れ、「韓米作業部会(ワーキンググループ)」が廃止される。外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長と米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表が21日、「北朝鮮核問題首席代表協議」で韓米作業部会を終了する方向で検討することに合意したのだ。

 韓米作業部会は2018年11月、朝鮮半島の完全な非核化、恒久的平和、対北朝鮮制裁の履行などについて、両国のコミュニケーションと協力を強化するために作られた。対北朝鮮制裁問題を米国の多くの関連省庁と個々に論議する必要なしに、一つの協議体で円滑に扱うという名目だったが、実際には、米国が国連制裁を名目に南北関係を困難に陥らせる副作用が生じた。金剛山(クムガンサン)で開かれた南北のイベントに同行した取材陣のノートパソコンの搬出を拒み、インフルエンザ治療薬のタミフルの北朝鮮への支援事業を取り消させ、開城(ケソン)工業団地の企業家らによる資産点検のための訪朝を妨げたなどが代表的な事例だ。米国が過剰な規則を突きつけ南北関係を統制しているという批判が、韓国国内で広がっただけでなく、北朝鮮の激しい反発も呼んだ。朝鮮労働党のキム・ヨジョン中央委員会副部長は「親米事大の罠」だと非難したりした。

 そのような点から、韓米が作業部会を廃止し新たな対話の枠組みを作ることにしたのは、望ましい決定だ。先月の韓米首脳会談でバイデン大統領が「南北の対話と関与、協力に対する支持」を明らかにしたことを進展させたもので、北朝鮮に向け対話への復帰を説得する“シグナル”だと分析できる。

 現在、北朝鮮と米国は、対話再開をめぐり熾烈な神経戦を繰り広げている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が17日、「対話にも対決にも共に備えなければならない」と主張すると、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「興味深いシグナル」だと述べた。しかし、キム・ヨジョン副部長は22日「夢より夢占い(現実を勝手に解釈するという意味のことわざ)」だとし、「自分の誤解で持った期待は、自分たちをさらに大きな失望に陥れることなるだろう」という談話を出した。朝米が互いに相手に「先に動け」と網引きをしている状態だ。

 このような重要な局面では、韓米が、南北関係と朝米関係が好循環できる新たな枠組みを用意し、北朝鮮を対話に導ける様々なアイデアを出し協力することが必要だ。イ・イニョン統一部長官がこの日、ソン・キム特別代表に会い、離散家族の再会とそのための金剛山訪問を韓米が共同で推進しようと提案したことも、前向きに検討できるはずだ。韓米が非核化と平和に向け、北朝鮮との対話を再開するために独創的な調整をしなければならない時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1000455.html韓国語原文入力:2021-06-22 18:52
訳M.S

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