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[社説]「対話」に言及した北朝鮮…韓米は交渉引き出すメッセージを

登録:2021-06-21 05:56 修正:2021-06-21 07:05
米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表が19日、仁川国際空港経由で入国している/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が米国のバイデン政権との対話の可能性を初めて公に言及したのに続き、21日にソウルで韓米の北朝鮮核問題首席代表協議が行われる。対話と対決の分岐点に立っている北朝鮮を交渉の方向に導くために、韓米の調整された北朝鮮に対するメッセージが出てくることを期待する。

 訪韓中の米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表は21日、外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長との韓米北朝鮮核問題首席代表協議に続き、22日にはイ・イニョン統一部長官との会合を皮切りに各界の要人と会い、米国の対北朝鮮政策の検討結果を説明する予定だ。韓米が先月の首脳会談の後続措置をどのように進展させていくのか、米国がソン・キム代表を通じて北朝鮮に対するどのようなメッセージを出すのかにより、朝鮮半島平和プロセスの再稼動の主要な分岐点になり得る。

 ソン・キム代表の訪韓の前に、先週行われた北朝鮮の労働党中央委員会の全員会議で、金正恩委員長は対外政策について「対話にも対決にも共に備えなければならない」と述べた。4月末に米国が対北朝鮮政策の検討完了を発表した後、北朝鮮の最初の公式の反応とみなせる。金委員長が直接対話に重きを置くよう言及したのは、2019年4月の施政演説後では初めてという点でも注目に値する。対話に応じるという明確なシグナルではなかったが、金委員長が対米非難を全く行わず、「情勢を安定的に管理していくことに力を注がなければならない」と述べたことをなどを考慮すれば、経済や国民の生活を優先しながら対話を模索していこうとする意図だと読み取れる。

 先月、韓米首脳会談で米国のバイデン大統領は「南北の対話と関与、協力に対する支持」を明らかにし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は最近、北朝鮮へのワクチン協力に言及した。今回の韓米協議では、南北関係の進展の障害物と目されてきた「韓米作業部会(ワーキンググループ)」の改善案や、8月に予定されている韓米合同演習の方式などについての議論もなされることが分かった。

 新型コロナウイルスに対する防疫の状況などを考慮すると、短期間のうちに朝米対話が再開されるのは難しいという懐疑論があるのは事実だ。しかし、米国のバイデン政権が「戦略的忍耐」ではなく外交を通じての北朝鮮核問題の解決を進展させる実質的な方法を示すのであれば、原動力が作られる可能性はある。韓国政府は、朝鮮半島情勢が緊張ではなく対話に向かうよう、外交力を発揮してほしい。朝鮮半島平和プロセスが米中の“新冷戦”に巻き込まれて座礁しないよう、創意的に動かなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1000117.html韓国語原文入力:2021-06-21 02:41
訳M.S

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