本文に移動

[社説]高齢者へのワクチン接種、医師の判断に任せるべきではない

登録:2021-02-15 01:39 修正:2021-02-15 08:30
英アストラゼネカのワクチン/ロイター・聯合ニュース

 韓国国内で新型コロナウイルスワクチンの接種が26日から始まる予定の中、疾病管理庁は15日、「2~3月ワクチン接種詳細実施計画」を発表する。具体的な接種対象者のリストと日程を確定するものだが、65歳以上の高齢者に英アストラゼネカのワクチンを接種するかをどのように決定するか、関心が集まっている。

 食品医薬品安全処は旧正月連休直前の10日に最終点検委員会を開き、コロナワクチンで最初となるアストラゼネカのワクチンの国内使用を正式に許可したが、65歳以上に対する接種は「医師の判断」に委ねた。18歳以上のアストラゼネカのワクチンの接種を認めつつ、「使用上の注意事項」に「65歳以上に対する使用は慎重に決定しなければならない」と記載したのだ。食薬処は「高齢者に接種しても安全性と免疫反応の問題はないが、予防効果を判断するためにはさらなる資料が必要なため、医師が対象者の状態を見て接種の有益性を判断し、決定せよという意味」と説明した。

 政府は高齢者へのワクチン使用の可否を明確に決定せず、接種現場の医師に対し自ら判断せよと言っていることになるが、無責任な態度だという批判は避けられない。アストラゼネカのワクチンの最初の接種対象者は、療養病院に入院中か療養施設に居住中の高齢者と従事者なのだからなおさらだ。政府も決定できないことを、医師がどうやって判断できるのか。政府は「慎重に決定せよ」とのただし書きをつけているが、積極的に接種を行う医師が何人いると考えるのだろうか。医療界は直ちに「政府の責任回避」と反発している。国民も高齢者が接種を受けてもいいのかどうか、混乱に陥っている。

 もちろん、政府だからといってワクチンの有効性を100%確信することは不可能だろう。外国の判断もまちまちだ。ドイツ、フランス、オーストリア、スウェーデンなどは、アストラゼネカのワクチンの高齢層に対する効果について十分な資料がまだないことを理由として、接種年齢を65歳未満と勧告している。ポーランドは60歳未満、ベルギーは55歳未満だ。一方、英国、インド、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルなどは年齢制限なしに全ての成人への使用を承認している。世界保健機関(WHO)は今月10日(現地時間)、「65歳以上に対するワクチンの効果についての資料が不足している」としつつも「高齢層への接種後の反応について、それより低い年齢層グループとの違いはありえないと考えている。使用可能な証拠の総体性を考慮し、65歳以上にもワクチンを使用することを勧告する」と発表している。このように、国ごとに基準は異なるものの、どの国も政府が基準をはっきりと示している。

 国民はワクチン接種に全ての希望をかけていると言っても過言ではない。社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の苦痛に耐えているのも、ワクチン接種によって集団免疫が形成されれば、以前の日常に戻れると期待しているからだ。初のワクチン接種をコロナ禍の沈静化と日常の回復の出発点とするためには、一寸の支障もあってはならない。初のワクチン接種はそれほど重要だ。政府は15日、高齢者への接種問題について、明確かつ緻密な計画を発表すべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/982918.html韓国語原文入力:2021-02-14 18:47
訳D.K

関連記事