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[社説]戦犯企業の支援を受ける米国学者による「慰安婦」歪曲

登録:2021-02-04 01:29 修正:2021-02-04 07:01
イ・ヨンスさん(左端)をはじめとする日本軍慰安婦被害者たちが2019年11月13日、ソウルにある民主主義のための弁護士会の事務所で、日本政府を相手取った損害賠償請求訴訟について発言している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 米国ハーバード大学の教授が、日本軍「慰安婦」被害者のことを「売春婦」だと主張する論文を学術誌に載せ、日本の極右新聞がこの内容を大きく報道したことで、波紋が広がっている。戦場に連行され、人権を蹂躙され、一生を苦痛の中で生きてきた被害者たちを侮辱し、戦時性暴力に反対する全世界の女性たちの努力を嘲笑するものであり、許せない行為だ。

 ハーバード大学ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授は、学術誌「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」3月号に「太平洋戦争における性サービスの契約」(Contracting for sex in the Pacific War)と題する論文を発表し、慰安婦被害者たちを「業者と契約を結んで高い収益を上げた売春女性」と罵倒した。日本政府と軍の介入責任を否定し、歴史を明白に歪曲したのだ。

ラムザイヤー教授=ハーバード・ロースクールのサイトより//ハンギョレ新聞社

 ラムザイヤー教授はハーバード大学ロースクールの「三菱日本法学教授」だ。第2次世界大戦当時、朝鮮人を動員して強制労働させた戦犯企業である三菱が寄付した100万ドル(約11億ウォン)で作られた地位だ。ラムザイヤー教授は日本に貢献した功労により、2018年に日本政府から「旭日中綬章」も授与されている。日本法と法律経済学を専攻した彼は、歴史研究者ではないにもかかわらず、慰安婦と強制動員の歴史について、日本の右翼たちの主張と同一の内容を相次いで発表してきた。2019年のインタビューでは「三菱重工業に行った人々は運が良かった」と主張してもいる。このインタビューで彼は、強制動員について「(韓国語の)文書は何も見ていない」と述べている。あきれるばかりだ。

 日本の戦犯企業の支援を受け、日本の右翼の側に立って侵略と人権蹂躙の歴史を歪曲する彼の行為は、明白な利益相反であり、学者的良心を否定するものだ。極右の日刊紙「産経新聞」は最近、ラムザイヤー教授の慰安婦についての論文を「世界に広まる『慰安婦=性奴隷』説を否定」との見出しを付けた記事で紹介した。日本の右翼勢力が資金をつぎ込んで米国内に親日勢力を作り、親日学者たちの口を借りて侵略戦争の責任を隠蔽する主張を国際社会に広げているのだ。最近、韓国で親日学者たちが『反日種族主義』などを通じて「歴史のひっくり返し」を試みていることともつながっている。

 彼らがいくら日本の歴史的犯罪を消そうとしても、二度と再び日本軍慰安婦動員のような戦時性暴力の悲劇が繰り返されてはならないという国際社会の人権運動の流れを止めることはできない。ラムザイヤー教授は、慰安婦被害者たちと戦時性暴力に反対してきた全世界の市民に謝罪すべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/981680.html韓国語原文入力:2021-02-03 17:33
訳D.K

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