本文に移動

[社説]韓米合同軍事演習、作戦ではなく国家戦略レベルで検討すべき

登録:2021-01-30 06:56 修正:2021-01-30 07:45
韓米合同軍事演習の様子=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 3月の韓米合同軍事演習をめぐり、国内外で様々な意見が飛び交っている。28日、韓国と米国の革新系市民団体387団体は、合同演習の中止を求める共同声明を発表し、「(合同軍事演習の中止が)朝米間の信頼を構築し、朝米対話を開く重大な一歩になるだろう」と主張した。いっぽう保守側は、2年以上コンピューター・シミュレーションだけで野外機動訓練を止めているのは軍隊の存立を揺るがす事態だとして反発している。今月初め、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記は第8回党大会で、「朝米関係、南北関係は米国と韓国の態度にかかっている」とし、演習の中止などを要求した。北朝鮮は今年から新しい国家経済発展5カ年計画を施行する予定だが、3月に演習が実施されれば、これに対応するため経済問題に集中することが難しくなるという計算も働いたのだろう。

 3月の演習が中止されれば、韓米が合意した「戦時作戦統制権の移管」条件の充足日程が延ばされ、軍事主権の確保に支障が生じるという懸念もある。朝鮮半島情勢の分水嶺とされる同演習をめぐり、このように様々な要因が複雑に絡み合っている。この演習をどうするか、2月中には決めなければならない。韓国の外交安保当局は、バイデン政権と迅速に協議に乗り出さなければならない。演習の中止や延期、コンピューター・シミュレーション方式など、流動的な朝鮮半島情勢を安定的に管理する案などが検討できるだろう。

 一部の予備役将軍らは、2018年の第1回朝米首脳会談以降、韓米合同軍事演習がコンピューターゲームに転落し、安全保障の根幹が失われたと主張している。これは国家安保を単なる軍事作戦レベルで捉える見方だ。国家安保政策は戦略的水準や作戦的水準、戦術的水準など総合的に判断して決定しなければならない。大統領府が朝鮮半島の平和繁栄という戦略を立てれば、軍はこれを作戦的・戦術的レベルで効果的に達成するために戦闘力をどのように運営するのかを模索しなければならない。

 韓米当局は合同軍事演習の方針を調整する際、軍事演習自体が目的ではなく、戦略を裏付ける多様な手段の一つであるという点を忘れてはならない。両国の間には今回の演習だけでなく、戦作権の移管や北朝鮮核問題、米国のインド太平洋戦略、対中国政策など、懸案が多い。外交安保チームの緻密な準備と対応が必要だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/981061.html韓国語原文入力:2021-01-2920:33
訳H.J

関連記事