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[社説]「コロナ対策」はすべて「選挙用」だと主張する保守メディア

登録:2021-01-23 02:39 修正:2021-01-23 06:46
韓国遊興飲食店中央会の関係者が22日午後、世宗市にある政府世宗庁舎保健福祉部前で「生存権を脅かす不公正な集合禁止の解除と補償」を求める集会を行っている//ハンギョレ新聞社

 共に民主党は22日、コロナ禍の克服に向け、営業損失補償法、協力利益共有法、社会的経済基金法の「共存連帯3法」の成立を目指すことを正式決定した。防疫措置による小商工人の営業損失を国が補償する根拠とするとともに、政労使の痛みの分担によって必要な財源を調達するとの趣旨からだ。営業損失補償法はすでに昨年から与野党が多数の法案を提出しており、最近も発議が相次いでいる。与野党のコンセンサスが得られている事案であることから、立法論議を急がねばならない。

 しかし保守メディアはまたしても、営業損失補償の法制化にも文句をつけている。必要性は認めると言いながら「どんぶり勘定だ」「拙速が懸念される」などと言って足をすくう。明確な根拠も示さぬまま、財源規模は100兆ウォン(約9兆7300億円)に達すると誇張している。「選挙用ポピュリズム」というレッテル貼りも相変わらずだ。国民の支持世論が強いため大っぴらにではいないものの、事実上反対しているのだ。

 営業損失補償の法制化には野党も積極的だ。国民の力のキム・ジョンイン非常対策委員長は20日、「コロナ禍の長期化による小商工人・自営業者の被害の補償に、政府財政を積極的に投入しなければならない」と述べている。与野党を問わず立法の必要性を強調しているのに、メディアがブレーキをかけているのだから、見ていて恥ずかしくなる。主要諸国の大半が防疫や国民生活のため、最高で90%の損失補償を実施している。このような厳然たる現実を我々のみが無視しようと言うのか。

 持続可能な防疫のためには被害への補償が欠かせない。法的な大義名分も明確だ。憲法23条3項は、「公共の必要による財産権の制限、およびそれに対する補償は法律で行うが、正当な補償を行わなければならない」と規定している。しかし現行の感染症予防法などには、公的目的の集合制限・禁止の根拠はあるものの、補償の根拠はない。一種の立法空白というわけだ。

 ホン・ナムギ副首相はこの日、フェイスブックで「営業制限の損失補償は誰も歩んだことのない道」だとし「財政は無尽蔵ではないため、財政状況も考慮すべき重要な政策変数」と述べた。財政当局の慎重な態度は理解できないわけではない。「改革への抵抗」と非難したり、党と政府が争うべき問題ではない。国家補償の法的根拠をまず固めてから、具体的な補償範囲や期間などの詳細な内容を議論するのが筋である。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/980014.html韓国語原文入力:2021-01-22 18:38
訳D.K

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