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[社説]バイデン政権最初の外交チーム、韓米協力で北朝鮮核問題の進展を

登録:2020-11-25 06:33 修正:2020-11-25 09:59
2013年11月、米ホワイトハウスで、ジョー・バイデン同時副大統領とトニー・ブリンケン(左から3番目)ホワイトハウス国家安保副左官がバラック・オバマ大統領の記者会見を見守っている=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

「バイデン時代」の米国の最初の外交安保チームが決まった。国務長官にはトニー・ブリンケン元国務副長官が、国家安保補佐官にはジェイク・サリバン元副大統領補佐官(国家安保担当)が内定した。2人とも長い間、バイデン次期大統領の外交戦略アドバイザーを務めてきた専門家だ。米連邦政府の一般調達局(GSA)が23日、バイデン氏が米大統領選挙の「明らかな勝者」だと宣言したことで、政権移譲に向けた公式手続きも始まった。

 バイデン政権の外交安保チームの人選は、トランプ大統領の孤立主義から脱し、同盟を復元するとともに、多国間主義を強化して「再び尊敬される米国」を作るという意志を表わしている。韓国の戦略的地位が高まり、トランプ政権時代に防衛費分担金などで難航した韓米同盟は、新たに再確立されるものと予想される。

 北朝鮮核問題に対する新外交安保チームの立場は、韓国に課題と機会を同時にもたらしている。ブリンケン氏はかつて北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を「世界最悪の独裁者の一人」と批判した。彼は金委員長が核兵器を政権交代防止の唯一の保障策と見なしているとし、「米国、韓国、日本、中国による包括的かつ持続的で容赦ない国際圧力キャンペーン」で北朝鮮の態度を変えるべきだと主張した。強力な対北朝鮮制裁と圧力の必要性を強調したのだ。一方、彼は北朝鮮への先制攻撃をはじめとする軍事的解決策には反対しつつ、外交交渉で解決するしかないという立場を明確にしてきた。

 ブリンケン氏とサリバン氏は、オバマ政権がイランと結んだ核協定「包括的共同行動計画」(JCPOA)をモデルに北朝鮮核問題を解決すべきだと主張している。イラン核協定は、恒久的でより包括的な関係を前提としつつ、イランの核開発中止と制裁解除および国際社会復帰を交換したものだ。北朝鮮の主張する核放棄と補償が段階的かつ漸進的に同時に行われる方式という点を、北朝鮮も注目する必要がある。

 北朝鮮とバイデン政権の安保チームの間に存在する深い不信感を解消し、交渉による解決策を進展させるためには、韓国政府の主導的な構想と役割がいつになく重要だ。韓国はこれまでの朝米関係と南北関係の改善に向けた努力に基づき、実質的な非核化解決策を模索して、バイデン政権の外交安保チームと深く協議していかなければならない。韓国の主導で米国と北朝鮮を説得し、中国や日本とも協力しながら、交渉に向けた環境を整えていくべきだ。同盟重視を掲げるバイデン氏が韓国の意見に耳を傾け、北朝鮮核問題の解決と朝鮮半島平和プロセスの進展に共に乗り出すことを望む。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/971292.html韓国語原文入力:2020-11-25 02:47
訳H.J

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