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[社説]勝利控えたバイデン、米国の前に置かれた重い責任

登録:2020-11-05 20:06 修正:2020-11-06 09:33
ジョー・バイデン米民主党大統領候補が4日、演説をする前にマスクを外している=ウィルミントン/AFP・聯合

 米国の“歴史的”な大統領選挙で、ジョー・バイデン民主党候補が勝利に迫っている。ミシガン、ウィスコンシンなど主な競合州で逆転勝ちし「選挙人団270人確保」告知を目前にしている。ドナルド・トランプ大統領が大量訴訟戦で対抗しているものの、バイデン候補の当選確定は時間の問題という見方が優勢だ。バイデン陣営は4日(現地時間)、引継委員会のサイトも開設した。

 トランプ時代が終わり“バイデン時代”になっても、米国の前に山積みされた課題はそのまま残る。極端に分裂した米国の姿は、今回の選挙過程でも生々しくあらわれた。人種主義と米国優先主義で固く団結したトランプ支持層のうち、多くは無分別なグローバル化の中で疎外されたと感じている低学歴の白人たちだ。現在の米国は、既得権層とエリート層が貧富格差と弱者の困難を無視したときに社会がどのように壊れるかを見せる他山の石だ。米国社会の統合のみならず、バイデン候補の前には新型コロナ対応と経済問題解決といった多くの挑戦が待っている。

 対外的には、トランプ氏の“米国優先主義”外交に反対し同盟と協力する外交を公言してきたバイデン候補が、国際社会で米国のリーダーシップを復元できるかが焦眉の関心事だ。トランプ氏の任期4年の間、米国の信頼は大きく墜落し、孤立主義の世論も依然として強く残っている。バイデン候補が4日夜ツイッターに文を上げて「きっかり77日後にパリ協定に再び加入する」と明らかにしたのは、きわめて肯定的な信号だ。77日とは、この日から大統領就任式が開かれる1月20日までの期間だ。

 米中対立に関しては、バイデン候補も中国に対する牽制を継続するだろうが、トランプ氏のような極端な方式ではなく、同盟を結集し“中国対多国”の構図を形成しようとすると予想される。韓国にとってはチャンスとリスクが共存する。同盟を重視するというバイデン候補は、防衛費分担金交渉、戦時作戦権移管などで韓国の立場をトランプ氏より尊重する可能性が大きいが、韓国に対して“反中国同盟”に参加しろとの要求もまた強まるだろう。バイデン候補は、北朝鮮との外交を支持しながらも、首脳間の談判で問題を解決しようとするトランプ氏のトップダウン方式には反対する。韓国政府は、バイデン候補の外交安保チームと迅速に協議して立場を明確に伝達し、協力空間を作らなければならない。朝鮮半島平和プロセスと朝米交渉が好循環を成し遂げられるよう、韓国が主導する明確な青写真も用意しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/968737.html韓国語原文入力:2020-11-05 19:19
訳J.S

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