21世紀の世界の運命を変える「世紀の対決」と呼ばれた2020年米国大統領選挙の開票が行われ、全世界が固唾を呑んで状況を見守っている。米国の次期大統領が確定すれば、韓国国内の関心は文在寅(ムン・ジェイン)大統領がいつ頃米国を訪問し、初の韓米首脳会談を行うかに移るだろう。今回の大統領選挙の勝者が誰になろうとも、朝鮮半島の運命に決定的影響を及ぼすことになる米国の次期政権の対北朝鮮・対中国政策などと関連し、両国間の意見調整が必要であるからだ。
まだ大統領選挙の結果が確定していないため、文大統領の訪米時期はドナルド・トランプ大統領が再選される場合とジョー・バイデン元副大統領が当選する場合に分けて検討せざるを得ない。
まず、トランプ大統領が再選を果たした場合だ。この場合、文大統領の訪米は主要7カ国(G7)首脳会議の時期に合わせて年内に実現する可能性が高い。トランプ大統領は5月末「対中包囲」のためにG7に韓国やロシア、インドなどを受け入れて「G11またはG12を作るべきだ」という意思を表明した。しかし、これをめぐる論議が相次いだことを受け、8月の会議日程を大統領選挙後に延期した。韓国のG7への永久参加をめぐっては日本などが猛烈に反対しているが、今年の議長国であるトランプ大統領が1回限りの招請を主張する場合、他国が反対する名分がない。
第二に、バイデン前副大統領が勝利した場合だ。この場合、文大統領の訪米日程はバイデン元副大統領が大統領に正式就任する2021年1月20日以降に見送られることになる。
この時点で思い浮かぶのは4年前、当時の安倍晋三首相が見せた“型破りの行動”だ。安倍首相はトランプ大統領の当選が確認された直後の2016年11月17日、ニューヨークのトランプタワーを訪れ、当選者だったトランプ大統領に会った。しかし、これは安倍首相とトランプ大統領という「異端児」のコンビがいたからこそ可能だった非常に異例のことだった。日本経済新聞は4日付の記事で、「バイデン氏が勝利した場合、米国務省が再び外交の主導権を握ると見られ、正式就任前の非公式会談に応じない慣例を遵守する可能性が高い」と予測した。この原則は韓国も例外ではないため、文大統領の訪米日程は2021年2月以降に決まる見通しだ。
ここで注目すべきなのは、新しく当選した米大統領が会う外国の首脳の順番だ。外交は「儀典がすべて」という言葉があるほど、米国大統領が誰と先に会うかが米国の今後の対外政策を占う非常に重要な資料になる。韓国としては当然東アジアに属する、米国のもう一つの同盟である日本の動きが気になる。しかし、2000年以降の首脳会談の順番を見ると、米国はアジア太平洋地域の繁栄と発展の「礎」(cornerstone)と呼んできた日本を「核心軸」(linchipin)と呼ぶ韓国より重視してきたことが分かる。
直近の2017年の場合、米日首脳会談はトランプ大統領就任直後の2月10日に開かれた。トランプ大統領は、テリーサ・メイ英首相の次である2番目に安倍首相と会った。これに比べて、文在寅大統領の訪米は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾という混乱のために遅れざるを得なかった。5月10日に就任した文在寅大統領は日本より4カ月も遅れた6月30日なってようやくトランプ大統領と顔を合わせることができた。
2013年の状況も同様だった。バラク・オバマ大統領は、安倍首相と2月22日に会ったが、2月25日に任期を始めた朴槿恵大統領とは3カ月後の5月7日に会談した。2009年にも麻生太郎首相はブッシュ大統領と2月24日に会ったが、李明博(イ・ミョンバク)大統領は4カ月後の6月16日に会談した。
ブッシュ大統領が再選に成功した2005年は状況が少し異なっていた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は6月10日、ブッシュ大統領と会談したが、ブッシュ大統領と固い友情を誇示してきた小泉純一郎首相は訪米にこだわらなかった。両首脳はブッシュ大統領の日本訪問を機に、11月16日に京都で会談した。もちろん、韓国の首脳が日本の首脳より先に米国の新しい大統領と会談したこともある。その主人公は金大中(キム・デジュン)大統領だ。金大統領は3月7日にブッシュ大統領と会談し、3月19日に会談に成功した森喜朗首相よりも12日早かった。
もう一つ興味深い点は、歴代の韓米首脳会談の核心となる議題だ。2000年以降、初めて顔を合わせた韓米首脳はたいてい北朝鮮核問題など対北朝鮮政策を核心テーマとして会談を進めた。2017年の首脳会談で、韓米両首脳(文在寅-トランプ大統領)は「段階的・包括的アプローチで、北朝鮮核問題を解決」(ハンギョレ2017年7月1日付1面)することで意見が一致したが、2013年の朴槿恵-オバマ大統領は、韓米が「経済までを網羅する『包括的同盟』に進む」(2013年5月8日付1面)ことで合意した。2009年の李明博-ブッシュ大統領は韓米両国が「北朝鮮の核を容認せず、対話を率いる新しい案を模索する」(2009年6月17日付1面)ことを、2005年の盧武鉉-ブッシュ大統領は北朝鮮に「早期に6カ国協議に復帰」(2005年6月11日付1面)することを求めた。2001年、金大中-ブッシュ大統領の首脳会談の核心テーマも、韓米が対北朝鮮政策を緊密に協力する(2001年3月8日付1面)ことだった。