政府の緊急災害生計支援金(災害生計費)支給案は、全国民の代わりに中下位所得世帯に限定して選別支給する方向に固まった。災害生計費は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態により困難を負っている国民を助け、消費振興を通じた景気浮揚も共に図ろうという趣旨だ。すでに多くの地方自治体が独自に推進するほど国民的共感が強い状況であり、時期適切な措置だと言える。 政府が迅速に施行し、危機克服のための「救命胴衣」の役割を果たしてほしい。
政府は30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主催で第3回非常経済会議を開き、災害生計費の支給案を決める予定だ。マスコミ報道を総合すれば、企画財政部は中位所得(全世帯を所得順で順位を付けた場合、中間に位置する世帯の所得)以下の1000万世帯に、4人世帯基準で100万ウォン(約9万9000円)を支給する案を検討している。所要財源は7兆~8兆ウォン(約6200億~7100億円)程度だ。一方、共に民主党は全国民の70~80%に1人当り50万ウォン(約4万4000円)を支援しようという意見だ。所要財源は18兆~20兆ウォン(約1兆6000億~1兆8000億円)に達する。
政府案は財源負担を考慮して相対的に困難が大きい低所得層を集中支援しようというものだ。一方、与党は景気浮揚効果まで考慮して財源を増やし、できるだけ多くの国民を支援しようということで違いがある。しかし、政府と与党のどちらも全国民ではなく中下位階層にだけ1回のみの選別支援を行う方式は同じで、ソウル市の案に似ている。ソウル市は中位所得以下の世帯の中で補正予算などの恩恵を被ることができない117万7千世帯に世帯数別に30万~50万ウォン(約2万7000円~4万4000円、計3271億ウォン(約290億円) )を支給することにした。一方、京畿道は全道民約1326万人に1人当り10万ウォン(約8900円、計1兆3千億ウォン(約1200億円) )の一括支援方式で、基本所得の性質が強い。
正義党は29日、全国民に100万ウォン(約8万9000円)ずつを支給する案を、開かれた民主党は18歳以上の成人に50万ウォン(約4万4000円)ずつ支給する案を提案した。未来統合党は最近まで「総選挙用ポピュリズム」と非難していたが、危機の深刻性を一歩遅れて痛感したのか、口を閉じている。
文大統領は先週、第2回非常経済会議の際に「第3回会議では実効性のある生計支援案を迅速に決めよう」と強調している。政府が慎重である必要はあるが、時間がかかれば混乱ばかり膨らむことがあり得る。政府が支援効果と財政負担を考慮して対象と支給額を合理的に決めた後は、迅速かつ果敢に施行してほしい。