大統領府が全国民に一定額の現金を支給する災害基本所得の導入のハードルをさらに下げた。当座は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で大きな被害を受けた中小企業、小商工人、自営業者などを集中的に支援するものの、国民の同意が得られれば災害基本所得を実行しうるという考えを明らかにしたのだ。
大統領府の高位関係者は19日、「非常経済会議で災害基本所得や経済脆弱層に対する選別的支援などに関する議論はあったのか」という質問に対し「脆弱階層支援に関する話があった」と答えた後「その問題は今後の国内外の経済状況や自治体レベルの努力、国民の受け入れ度などによって検討すべき事案」と述べた。
これは、まず最も打撃が大きい階層を支援することに焦点を当てていることを強調しつつも、災害基本所得導入の条件を提示したもの。世論が「所得水準に関係なく全国民に一定の金額を支給して内需を回復させることが、COVID-19事態克服に役立つ」という方向に傾けば、導入は可能という考えを示唆したのだ。
別の大統領府関係者は「国民の受け入れ度に言及した部分に注目すべき。経済的弱者を選別して支給する災害手当てであれ、全国民を対象とする災害基本所得であれ、国民が同意すれば決定できるという意味」と述べた。大統領府内では、米国や日本などが災害基本所得を実行するなどの状況変化が生じたため、韓国政府としても災害基本所得導入の検討が必要になったという空気がある。
ただし大統領府は、災害基本所得が内需拡大や経済脆弱階層の支援に最も効果的な対策なのかを巡り、慎重に検討しているという。ポピュリズムという世論の反発にぶつかる恐れもあるためだ。脆弱階層の一部を選別的に支援する災害緊急手当や災害緊急生活費の場合、どのように公平に支援対象を絞り込んでどう支給するかという問題がある。ある大統領府関係者は「すべての可能性が開かれており、結局は世界経済と国内経済の状況、世論の受容度などを考慮して決断する問題。ただし非常経済会議で機を逸しないように決めたい」と述べた。
一方、第2次補正予算の可能性もある。一部からは、当選者と落選者が存在する状態で総選挙後すぐの5月の国会開会は難しいとし(5月までは現職の第20代国会議員の任期。4月の総選挙で選出される議員の任期は6月から)、大統領が緊急財政命令権を発動すべきなのではないかという指摘もある。しかし、補正予算の必要性が切迫し、国会議員の義務の履行を迫る世論が高まれば、5月の本会議でも補正予算処理が可能だという分析も出ている。