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[社説]新型コロナで血液供給が非常事態、献血にも市民意識発揮を

登録:2020-03-04 02:34 修正:2020-03-04 07:35
COVID-19の影響で血液供給が非常事態となっている中、2日にソウル城北区役所で職員や市民が献血をしている様子=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で血液供給も非常事態に陥っている。例年、旧正月の連休と学校の冬休みがある1~2月は献血が減少するが、今年はCOVID-19拡散の影響も重なり、事情ははるかに悪化しているという。血液供給が不足すれば、輸血が必要な手術や治療で深刻な事態を招く可能性もある。心配せざるを得ない。

 中央災難安全対策本部のキム・ガンリプ第1総括調整官(保健福祉部次官)は2日の定例ブリーフィングで「現在の血液の保有量は3.7日分で、適正水準に遠く及ばない」として、献血への参加を訴えた。安定的な血液の保有量は5日分以上だ。大韓赤十字社に確認したところ、3日には3.4日分で、一日でさらに0.3日分減少した。このような傾向が続けば、近いうちに「注意段階」となる3日分未満にまで落ちるものとみられる。

 血液供給が減少しているのは、市民の外出自制により個人献血が減るとともに、職場や軍部隊などの団体献血が相次いで取り消されているためだという。国内でCOVID-19の最初の感染者が確認された1月20日から3日までの献血件数は、昨年同期に比べて3万件近く減少している。また、同期間に献血を予約した2823団体のうち、482団体が取り消した。

 専門家たちは、献血とCOVID-19は何の関連もないと一様に語る。呼吸器ウイルスであるCOVID-19は血液を通しては感染しないため、心配する必要はないというのだ。大韓赤十字社も、市民が安心して献血できるように、採血にあたる看護師などの職員の衛生管理をさらに徹底し、献血の家と献血バスに対する消毒などの安全措置を強化している。漠然とした不安は持たなくてもよい。

 献血は、輸血が必要な患者の大切な命を守るためのものだ。安定した血液供給のためには、市民の関心と参加が切実に求められる。大邱(テグ)や慶尚北道などのCOVID-19の被害地域に対するボランティアや募金などとして表れている市民意識が、献血においても発揮されることを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/930930.html韓国語原文入力:2020-03-03 18:15
訳D.K

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