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[社説]米国は担当者を替えても北朝鮮問題から手を引くな

登録:2020-02-12 23:17 修正:2020-02-13 07:19
アレックス・ウォン米国務省北朝鮮政策特別副代表が10日午前、韓米作業部会会議のためにソウル鍾路区の外交部庁舎に到着し、取材陣の質問を受けている//ハンギョレ新聞社

 米国のトランプ政権で対北朝鮮問題を受け持ってきた中心実務者が続々と交替している。ホワイトハウスは11日、国務部のアレックス・ウォン北朝鮮対策特別副代表を国連の特別政務次席大使として抜てきしたと明らかにした。先月にはマーク・ランバート特使が国連の「多者間連携」特使に任命され、北朝鮮担当ラインを離れた。米国大統領選の幕が本格的に上がる時期に合わせて対北朝鮮政策担当者が連鎖的に異動になるのは普通とは思えない。トランプ行政府の意志不足で、そうでなくともふらついてきた朝米対話が凍結するのではないか懸念される。

 昨年末、米国のスティーブン・ビーガン北朝鮮特別代表が国務部の副長官に任命されたことによって、北朝鮮政策に関してウォン副代表の役割は一層大きくなるだろうという見方が多かった。同副代表は数日前に韓国を訪れ、韓米作業部会会議で金剛山(クムガンサン)の個人観光や南北鉄道・道路連結事業を協議して戻った。そのようなウォン副代表の突然の異動は、韓国政府が力点を置いている南北協力事業をめぐる韓米協力にも支障を与える可能性がある。

 最近のトランプ政権は北朝鮮問題に距離をおこうとする態度が歴然と見える。トランプ大統領は先週の国政演説で北朝鮮に対して一言も言及しなかったが、就任以後初めてのことだった。米国のマスコミは最近、ホワイトハウス参謀の話を引用して「トランプ大統領は11月の大統領選挙前までは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談を望んでいない」と報道した。ホワイトハウスのロバート・オブライエン安保補佐官も11日、朝米首脳会談について「二人の指導者間にさらなる首脳会談が適切なのか考えねばならない」とし、留保する態度を見せた。米国務部の北朝鮮ラインの相次ぐ異動もまた、このような延長線上からなされたものと思われる。

 トランプ大統領が、北朝鮮問題について大統領選挙時まで「現状維持のための状況管理」だけをすると考えているならば、大きな判断ミスになりかねない。北朝鮮は労働党の全員会議で予告した通り「新しい戦略武器」を実験するなど激しく反発する路線を選ぶだろう。北朝鮮の核問題は良くなるか悪くなるかだけで、「現状維持」はなかったのが過去20年の教訓だということをトランプ大統領ははっきり認識すべきだ。

 米国は北朝鮮との対話再開に積極的になるよう願う。“金委員長との親密さ”などを言葉だけで表現するのではなく、北朝鮮が耳を傾けるような現実的な解決策を示して説得に当たらなければならないところだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/928014.html 韓国語原文入力:2020/02/12 18:27
訳T.W

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