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[社説]チョン・セギュン新首相、「民生」と「協治」国民の期待に応えよ

登録:2020-01-14 01:29 修正:2020-01-14 07:56
チョン・セギュン首相候補が7日、国会で開かれた人事聴聞会で質問に答えている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 チョン・セギュン首相候補者任命同意案が13日、国会本会議で可決された。無記名で行われた票決で、自由韓国党と新しい保守党を除く、共に民主党、正しい未来党、正義党、民主平和党、代案新党などの賛成で過半数の得票が得られた。人事聴聞会で「三権分立の毀損」などの批判があり、保守野党の反対で審査経過報告書が採択されず、ムン・ヒサン国会議長による職権上程で採決が行われたことは残念だ。野党の非協力の中でも、国会の承認手続きが比較的無難に済んだのは、せめてもの救いだ。

 李洛淵(イ・ナギョン)首相に続き、文在寅(ムン・ジェイン)政権二人目の首相となるチョン新首相にかける期待は大きい。現政権後半を迎え、経済と民生でいつにも増して成果を出さなければならず、効率的な政府運営を通じて国民が体感できる改革の果実を具体化することが急がれるからだ。企業家出身のチョン・セギュン首相が経済を活性化させ、国民生活を支える「経済首相」「民生首相」として位置付けられることを期待する。

 チョン首相は聴聞会で、「規制改革で企業経営のしやすい環境づくりに死活をかける」とし、「革新成長を通じて未来の食い扶持を創出し、セーフティーネットの拡充で両極化解消の基礎を作る」と述べた。成長と分配の好循環を通じて経済が一段階跳躍できるよう、内閣の先頭に立って奮闘されんことを望む。

 チョン首相は、国会議長の経歴をもとに、名実共に「共存と協治」を実現することにも尽力すべきだろう。一人の大統領の任期中に、立法府の長から行政部のナンバー2となる初の首相になるが、「三権分立の毀損」と批判される余地があることは明らかだ。論争の末に首相になっただけに、幅広く話し合い、コミュニケーションを図る「協治首相」としての役割を期待する。チョン首相は聴聞会で「総選挙後、『協治内閣』の組閣を大統領に建議する」と述べた。チョン首相がこれまでの経験をもとに、実質的な協治のモデルを引き出す首相となることを願う。

 4年目に入った文在寅政権は経済や民生、各種の改革や外交などで、どれ一つ取っても容易ならざる状況だ。チョン首相の就任が、現政府がこれまでの問題点を解決し、新たに跳躍する契機となることを願う。チョン首相は政治人生の総まとめをするという覚悟で内閣を陣頭指揮し、国民の期待に応える成果を必ずや出さなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/924290.html韓国語原文入力:2020-01-13 19:33
訳D.K

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