日本のフッ化水素専門会社である森田化学工業が最近、高純度液体フッ化水素を韓国に輸出したと日本経済新聞が10日、報道した。高純度フッ化水素はフォトレジスト、フッ化ポリイミドとともに安倍政権が去年7月、韓国に輸出規制をした半導体の主要材料の3種類のうちの一つだ。森田化学は韓国のフッ化水素市場の3分の1を占有しており、サムスン電子とSKハイニックスなどに製品を供給してきた。
日本経済新聞は、グローバル企業のデュポンが韓国にフォトレジスト生産施設を建てることにしたとのニュースを伝え、「デュポンのような動きが増えれば、日本企業の競争力に影響を与える可能性もある」と報道した。デュポンは8日、韓国に超紫外線(EUV)用フォトレジストの開発・生産施設を作ることを決めて、2800万ドル規模の投資申告書を提出した。産業通商資源部は安倍政権の輸出規制以後、供給ラインの多様化のためにデュポンの投資誘致を推進してきた。
安倍政権が輸出規制を行ってから6カ月が過ぎた今、日本経済にブーメランとなって戻って来るはずだという警告が現実に現れている。韓国の輸入企業より日本の輸出企業がより大きな打撃を被っている。韓国政府と企業が代替供給先の発掘だけでなく、主要な材料の国産化に拍車をかけているからだ。最近、国内の化学素材専門会社であるソウルブレインが最高水準の高純度フッ化水素の工場の新・増設を早期に完了して大量生産体制を整えた。安倍政権の経済報復を乗り越えようとする企業の努力と政府の支援が明らかな成果を出しているのだ。日本企業の間ではこのままでは韓国市場を永久に失いかねないとの憂慮が大きくなっているという。森田化学の森田康夫社長はすでに去年8月、日本経済新聞とインタビューで「輸出管理強化が日本企業のシェア低下に繋がることがあり得る」と憂慮を表明したことがある。
安倍政権の輸出規制は初めから誤った判断だった。輸入規制ではなく輸出規制で貿易報復をする国はほとんどない。輸出規制は自国企業にも被害を与える。一種の自傷劇だ。また。グローバルサプライチェーンまで揺さぶり、国際的な反発を買うことがあり得るため争いを拡大させるのが難しい。それなのに安倍政権は韓国経済の中心である半導体産業に脅威を与えれば韓国政府がすぐに屈服すると判断して無理強いをしたようだ。
韓国国民の日本商品不買運動の熱気もなかなか冷めない。日本政府の観光局統計を見ると、日本を訪れた韓国人観光客の数は去年11月には65.1%も減った。7月は-7.6%、8月は-48%、9月は-58%、10月は-65.5%と急減傾向が続いている。九州や北海道などの日本の地方観光地の被害が雪だるま式に増えている。去年7月、「韓国の不買運動は長続きしないだろう」と発言したユニクロの岡崎健最高財務責任者は、10日の記者会見では「非常に厳しい状況が続いている」と打ち明けた。日本車とビールも相変わらず苦戦している。
安倍政権は自ら自分の足の甲を踏む愚かな行動をやめなければならない。名分も実益もない輸出規制を撤回しなければならない。それが日本経済にも役に立つ道だ。