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[社説]「在韓米軍削減」まで取り上げる度が過ぎる米国の圧迫

登録:2019-11-21 06:49 修正:2019-11-21 12:43
マーク・エスパー米国防長官が20日、ベトナムのハノイでベトナム軍儀仗隊を査閲している=ハノイ/ロイター・聯合ニュース

 マーク・エスパー米国国防長官が19日、「韓米防衛費分担金交渉が決裂する場合、在韓米軍削減の可能性はあるのか」という質問に、「私たちがやるかも知れないしやらないかも知れないことについて、予測や推測を控えたい」と答えた。hi米軍問題を防衛費分担金交渉のテコに活用するという意味を公開の場で言及したのである。少し前にはマーク・ミリー米軍合同参謀議長が、「普通の米国人は、在韓・在日米軍がなぜそこにいるのかと尋ねる」と述べたが、今はあからさまに「在韓米軍削減」カードを取り出して揺さぶる様相だ。いくら防衛費分担金の大幅引上げが切実であるとしても、在韓米軍削減まで言い立てる態度には失望感を隠すことができない。

 米国の防衛費分担金の増額圧迫は全方位的である。最近の数日間に、デービッド・スティルウェル国務省東アジア太平洋次官補、マーク・ミリー合同参謀議長、エスパー長官などが相次いで韓国に来て、「韓国がさらに負担しなければならない」と要求した。また、ハリー・ハリス在韓米国大使は国会情報委員長のイ・ヘフン議員に会った席で、韓国が50億ドル(約5400億円)の分担金を払わなければならないという話を20回ほど繰り返したという。イ議員は、「数十年間多くの米国大使に会ったが、このようなことは初めて」と言ってひどく驚いていた。大使が駐在国の議会の常任委員長にこのような形の外交的欠礼ができるのか、驚くほどの無礼さだ。20日に開かれた韓米当局間の防衛費分担金交渉では、米国側が「韓国の提案は私たちの要求に応じたものではない」として80分だけで席を蹴って出て行ったという。

 防衛費分担金増額がドナルド・トランプ大統領の中心政策アジェンダであるため、官僚が積極的になるしかない事情を知らないわけではない。しかし最小限、「同盟」間であるなら、越えてはならない線がある。ただ「金」のために外交慣例を無視したり韓米同盟の根幹である在韓米軍問題まで持ち出すことは、かなり度が過ぎるものだ。また、エスパー長官は今月15日の韓米安保協議会議(SCM)共同声明で、「今の安保状況を反映し、在韓米軍の現在の水準を維持して戦闘準備態勢を向上するという公約を再確認した」と明らかにしたことがあるではないか。

 米国が「在韓米軍サービスを金を払って買いなさい」という形で近付くのは正しい態度ではない。そのようになれば、共同の安保利益と価値を分かちあう「同盟」は立つ場所を失う。ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は、「韓米同盟のモットーは『一緒に行きましょう』であり、『金を十分にもらえたら一緒に行く』ではない」と言った。トランプ政権は、本当に何が米国の国益と合致するのか熟考しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/917798.html韓国語原文入力:2019-11-21 02:39
訳M.S

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