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[社説]朝米、今は対座して大妥協を模索する時だ

登録:2019-11-19 06:56 修正:2019-11-19 08:18
2月27日、ハノイで首脳会談を開始するときに握手するトランプ大統領と金正恩国務委員長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓米国防長官が合同空中演習の延期を電撃発表したのに続いて、ドナルド・トランプ米大統領が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長に対して「早い行動を通じた合意」を直接促しに出た。先月のストックホルムでの非核化実務交渉の決裂後に止まっていた朝米非核化交渉の時計を再び巻き戻すことができるか注目される。

 目を引くのは、米国の迅速な反応だ。チョン・ギョンドゥ国防部長官とマーク・エスパー米国国防長官が17日に合同空中演習の延期を発表した10時間後に、トランプ大統領が金正恩委員長に向けてツイートを投稿した。内容も積極的だ。トランプ大統領は、「私はあなたがいるべきところに連れていける唯一の人」だとして「速やかに動いて合意を成し遂げなければならない」と交渉再開を促した。「急がない」という言葉を口にして過ごしてきたトランプ大統領からこのような言葉が出てきたのは異例だ。米国も余裕があまりないという傍証だ。「もうすぐ会おう」というトランプ大統領の言葉からは、3回目の首脳会談に対する期待感もにじみ出る。北朝鮮国務委員会の報道官談話からトランプ大統領のツイートまで、これまで数日間続いてきた「間接対話」の流れを見る時、朝米が近い内に再び会う可能性が高くなったことは明らかに見える。

 しかし、実務交渉が再開されても、朝米間には片付けなければならない障害物が相変わらず多い。キム・ゲグァン外務省顧問は18日、「対話の紐を放したくなければ、私たちを敵と見る政策を撤回する決断を下さなければならない」と明らかにした。米国が制裁緩和を含む北朝鮮を説得するカードを持って来れば、非核化問題を扱うことができるという言葉だ。この局面で重要なのは米国の態度だ。実務交渉が再び決裂で終わらないようにするには、米国は今まで見せてきたものより、さらに真剣な態度で交渉の場に出なければならない。ハノイ首脳会談の時のように北朝鮮に一方的譲歩を要求すれば、交渉が原点に帰ることになり得る。北朝鮮も自ら決めた原則にだけぶら下がらずに、柔軟性を発揮して大妥協を成すという姿勢を見せなければならない。朝米双方に今必要なのは、相手の立場と状況を推し量る姿勢だ。

 北朝鮮が提示した非核化交渉の「年末期限」は50日余りしか残っていない。キム・ミョンギル北朝鮮外務省巡回大使は数日前、「米国が12月中に会おうと提案した」と明らかにしたことがある。事前の調整が順調に進めば、来月中に朝米交渉代表が対座する可能性が高い。この機会を逃してはならない。朝米いずれも今回で終わりという覚悟で妥協の精神を発揮し、大転換の契機を作り出すよう願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/917495.html韓国語原文入力:2019-11-19 02:40
訳M.S

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