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朝米首脳、ツイッターで始まった世紀の出会いをもう一度?

登録:2019-11-19 06:02 修正:2019-11-25 09:58
トランプ大統領、北朝鮮の金正恩国務委員長向けてツイート 
「私はあなたがいるべきところへ連れていける唯一の人間」 

「近いうちに会おう」と、第3回朝米首脳会談の可能性も示唆 
韓米合同空中演習の延期だけで北朝鮮が対話に乗り出すかは不透明 
ドナルド・トランプ米大統領=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が17日(現地時間)、ツイッターを通じて「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、速やかに動いて合意を成し遂げなければならない」として、第3回朝米首脳会談の可能性までほのめかした。韓米が今月中に実施する予定だった合同空中演習の延期を発表した後に出たメッセージであり、先月初めにスウェーデンで行われた実務協議が決裂してから停滞していた朝米対話に再び弾みがつくかに注目が集まっている。

 トランプ大統領は同日、ツイッターに、北朝鮮の「朝鮮中央通信」が米民主党の有力大統領選候補のバイデン元副大統領に対し、「狂った犬は一刻も早く棒で殴り倒すべきだ」と非難したとするケーブルテレビ司会者のツイートをシェアしたうえで、自身の見解を付け加えた。トランプ大統領は金委員長の名前は明らかにせず、「委員長、ジョー・バイデンは退屈で、非常にのろいかもしれないが、“狂った犬”ではない。そして、実をいうと、それよりは少しましだ」という書き込みを残した。さらに、「しかし、私はあなたがいるべきところに連れていける唯一の人間」だとし、「あなたは速やかに動いて合意を成し遂げなければならない。近いうちに会おう!」と書いた。

 トランプ大統領のツイッターは形式と内容の面で、金委員長を「殺人的な独裁者」と非難するバイデン元副大統領を嘲弄する一方、自分だけが金委員長との対話を通じて北朝鮮に「より明るい未来」を提供できるとして、差別化を図ったものと見られる。しかし、時期的にチョン・ギョンドゥ国防長官とマーク・エスパー米国防長官がタイで記者会見を開き、韓米合同空中演習の延期を発表してから10時間後に掲載されたことから、北朝鮮が極めて強い拒否感を示してきた韓米合同軍事演習を延期して米国も誠意を示しただけに、北朝鮮も早期に対話に応じるよう直接求めたものと言える。

 「近いうちに会おう」という文言は、首脳間の友好関係を強調しながら、3回目の首脳会談の開催に向けた意志を示すものと見られ、今年中に実務協議が再開される可能性も高まる見通しだ。北朝鮮は米国に「新たな計算法」を要求し、今年の年末を期限として提示しており、来年の大統領選を控えたトランプ大統領も北朝鮮との関係悪化を望んでいないため、両首脳とも体面を保ちながら対話を続けることが必要な状況だ。

 ただし、朝米が再び膝を突き合わせるためには、両者の態度の変化がカギとなる。米国は韓米合同演習の延期を「外交努力と平和を促進する環境づくりのための善意の措置」(エスパー国防長官)だと強調し、北朝鮮に「相応する誠意」を求めている。しかし、北朝鮮は米国の「対北朝鮮敵視政策の完全撤回」を先決条件に掲げており、演習の延期やトランプ大統領のツイートだけで対話のテーブルに復帰するかはまだ不透明だ。米国は先月のスウェーデン実務交渉が決裂した後、北朝鮮に交渉再開を要求しているが、現段階で北朝鮮への経済制裁解除や緩和を考慮してはいないという。このため、トランプ大統領のツイートは「早く決めろ」と金委員長に圧力をかけたものとも言える。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/917448.html韓国語原文入力:2019-11-18 20:43
訳H.J

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