文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の安倍晋三首相が4日、ASEAS+3首脳会議が開かれたバンコクで単独で会い、11分間“サプライズ”歓談を行った。両首脳が単独で会ったのは去年9月の首脳会談以来、13カ月ぶりだ。両首脳は会合で、「韓日関係は重要であるという意見を共にし、両国関係の懸案は対話を通じて解決しなければならないという原則を再確認した」とコ・ミンジョン大統領府報道官が伝えた。たとえ短い出会いだったとしても、両首脳が手を取り合い、「対話を通じた解決法」の模索に共感したことは、今の両国関係に照らしてみた場合、意味が大きい。韓日両国はこれから、強制徴用問題から始まり貿易、軍事協力問題にまで拡がった対立を解消するための高位級対話に乗り出してほしい。
両首脳はこの日の歓談で、「両国の外交部の公式チャンネルで進められている協議を通じて、実質的な関係進展の方法が導出されることを希望した」と大統領府が明らかにした。また、文大統領は必要であれば「高位級協議」を行う案を検討しようと提案し、これに安倍首相も「すべての可能な方法を通じて、解決の方法を模索するように努力しよう」と応じたと言う。6月に大阪で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、文大統領と安倍首相が握手だけをして別れたこととは大きく比較される。
大統領府は今回の歓談が前もって計画されたものではなく、文大統領が首脳会議の控室で待ち、少し遅れて到着した安倍首相を隣の席に導いて行われたのだと伝えた。文大統領が先に出て安倍首相の手を取り、対話の糸口を用意したことは望ましかった。先月末の天皇即位式の時、李洛淵(イ・ナギョン)首相と安倍首相が会い、「対話再開」の必要性に共感したが、今回は両国首脳がこれを確認したのだから、直ちに外交当局間の実効性ある協議が後に続かなけれならないだろう。
日本が今回の歓談に関して「安倍首相が原則的立場を確実に伝達した」と明らかにしたのは、憂慮の恐れがある。原則的立場とは「徴用賠償問題は1965年の請求権協定ですべて解決された」とのことなので、この問題をめぐる韓日間の隔たりは相変わらず大きいと言うことができる。それにも関わらず、対話でなければ解決法がないことは明らかだ。歴史問題で認識の差を縮めるのが難しいのであるのなら、まず日本は貿易報復措置を、韓国はGSOMIAの終了決定を撤回するのも一つの案である。両国政府は直ちに対立解消のための実践的行動に乗り出さなければならない。