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[社説]「金剛山協議」文書でやろうという北朝鮮の誤った態度

登録:2019-10-31 02:33 修正:2019-10-31 07:51
金剛山観光地区の温井閣東館。29日に統一部がマスコミに公開した金剛山観光地区南側の施設の写真。長い間放置され、改修が急がれる=統一部提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は韓国側が提案した金剛山観光の発展の方向性を話し合うための当局間実務協議を拒否した。北朝鮮は29日に通知を送り「文書交換方式」により協議しようという既存の立場を固守した。金剛山観光問題を南北協力回復の機会にしようとしていた政府の計画にも齟齬をきたす可能性が高くなった。北朝鮮の「文書協議」固守には遺憾の意を表さざるを得ない。北朝鮮には今からでも当局間協議に応じることを望む。

 北朝鮮の通知には、「別途の実務協議をする必要はない」という内容の文言が含まれているという。施設の撤去問題だけを話し合えばいいのであって、他の事案にまで議論を広げることはないという考えをにじませている。前日、韓国側が北側の提案を含め金剛山観光再開・活性化策を協議しようと提案したが、返ってきたのは冷ややかな回答だけだ。

 北朝鮮のこのような態度が確定的なものなのか、変化の可能性があるのかは、今のところ即断が困難だ。しかし北朝鮮がこのまま「施設撤去要求」を最後まで押し通すとすれば、撤去の「危機」を観光再開の「機会」にしようとしていた政府の構想も壁にぶつかるしかない。このような状況下では、韓国側が「創意的解決策」を出したとしても、突破口を見出すには程遠い。南北関係もさらに深い泥沼にはまることは明白だ。

 状況の悪化を防ぐには、北朝鮮が今からでも韓国側の提案を受け入れる姿勢を見せなければならない。ただでさえ金剛山施設は長い間放置され、全面的な改修・補修や建て直しが必要とされている。この機会を利用して南北が手を取り合って金剛山観光を南北協力の新たなモデルとする道を開くことは、南北双方にとって有益だろう。北朝鮮はそもそも断る理由がない。

 北朝鮮が文書交換方式にこだわったことで、金剛山観光問題は解くことがさらに困難な高次方程式となってしまった。このような状況において観光を再開するには、国際制裁を超える妙案を探さなければならないだけでなく、施設の撤去を求める北朝鮮を説得しなければならない。どちらも容易ではない。しかし道が険しいからといって、へこたれてはいられない。ひとまず当局間協議の可能性を残しつつ、他の方法を考える必要がある。南北関係の悪化は昨日今日に始まった問題ではなく、ハノイでの朝米首脳会談の決裂から続いている問題であり、金剛山施設の撤去問題もその延長線上にあるだけに、高官級協議や特使派遣といったより果敢な交渉方法を見出すことも検討に値する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/915194.html韓国語原文入力:2019-10-30 17:59
訳D.K

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