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[社説]今月末と予告された朝米協議、今度こそ結実を

登録:2019-08-11 22:27 修正:2019-08-12 07:50
ドナルド・トランプ米大統領が9日、ホワイトハウスで記者団と話を交わしている=ワシントン//ハンギョレ新聞社

 米国のトランプ大統領が10日、「金正恩(キム・ジョンウン)が親書を送り、韓米合同訓練が終われば交渉を始めたいという」と話した。韓米合同演習が20日に終了すると、早ければ今月末に北朝鮮と米国の実務者会議が開かれる可能性が大きくなった。2月末の2回目の朝米首脳会談以後、膠着状態におちいっている朝米交渉が今回こそ再開されて非核化の交渉が成功裏に進むように願う。

 北朝鮮と米国の首脳は6月末に板門店(パンムンジョム)で電撃的に会合をし、「2~3週内の実務者会談開催」に合意していた。しかし、北と米国が互いに有利な会談再開日程や内容をめぐってつばぜり合いしている間に、北朝鮮は短距離ミサイルと推定される飛翔体を先月末から相次いで撃ち、「会談は相当の間難しくなるのではないのか」という展望を呼んでいた。北朝鮮は今月初めにタイで開かれたASEAN地域安保フォーラム(ARF)にもイ・ヨンホ外相を派遣せず、朝米外交長官会談を期待していたマイク・ポンペオ国務長官を「待ちぼうけを食わせる」までしていた。北朝鮮が今回態度を変えて交渉の意志を再確認したことは幸いだ。

ドナルド・トランプ米大統領が10日(現地時間)のツイッターで、北朝鮮の金正恩国務委員長が「韓米合同軍事演習が終了し次第、交渉を再開したい」という考えを親書で明らかにしたと伝えた。ツイッター画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 トランプ大統領はこの日「親書の多くの部分がとんでもなく金がかかる韓米合同演習に対する不満」であり、「またミサイル試験に対する小さい謝罪であり、(発射)試験は演習が終了する時中断されるだろう」と記されていたとも伝えた。朝鮮半島の安定を破って軍事的緊張を高めさせるミサイル発射がこれ以上なくなることを期待する。

 ところが北朝鮮が11日、外務省米国担当局長名で談話を発表し、荒々しい言葉で韓国を批難したことは非常に残念だ。談話は大統領府が最近北朝鮮のミサイルのために「緊急関係長官会議」を招集したことに対して「大騒ぎしている」「夜更かしして騒ぐ見苦しい姿」「盗人が盗人だと名乗る図々しい有様」などの妄言をならべたが、最低限の信頼まで疑いたくなる悪言だ。その上、南北首脳は最近1年半に4回会って和解と平和を真剣に議論した仲ではないか。たとえ批判するにしても基本的な礼儀と品位は守るべきである。

 北と米国の間で実務者協議が再開されても、非核化の方式やその内容、対応措置をめぐる立場の違いが大きく、生みの苦しみが予想されている。過去にない柔軟な姿勢が求められる。北朝鮮、米国ともに少しずつ譲歩し、今度は朝鮮半島の非核化と平和体制構築の転機を作ることを期待する。韓国政府も北朝鮮と米国の交渉が生産的な実を結ぶよう役割を果たさなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/905322.html韓国語原文入力:2019/08/11 17:47
訳T.W

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