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北朝鮮、また飛翔体発射し韓米合同訓練を激しく非難

登録:2019-08-07 09:43 修正:2019-08-07 11:53
黄海南道クァイル郡一帯から東海に2発撃ち、 
合同参謀本部「短距離弾道ミサイルと推定」 
北の外務省報道官談話「敵対行為を行なえば対話の動力消える」  
9日、エスパー国防長官の訪韓に合わせて韓米合同演習の公式化
北朝鮮が今月6日午前、黄海南道クァイル郡一帯で短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体を発射した。写真は先月26日、朝鮮中央テレビが報道した新型戦術誘導武器(短距離弾道ミサイル)発射の様子//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が6日、韓米合同軍事演習に激しく反発し、「軍事的な敵対行為が続く限り、対話の動力はますます消えることになる」と明らかにした。北朝鮮は「労働新聞」の当日付4面に掲載された「外務省報道官談話」(以下、談話)で「再三の警告にも関わらず米国と南朝鮮当局が我々を狙った合同軍事演習を繰り広げた」とし、「6・12朝米共同声明と(4・27)板門店宣言、9月の平壌共同宣言に対する露骨な無視であり、公然たる違反」だと主張した。

 合同参謀本部(合参)は「今日(6日)午前5時24分と36分、北朝鮮が黄海南道クァイル郡一帯から東海上に発射した短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体2発を捕捉した」とし、「高度37キロ、飛行距離450キロ、最大飛行速度マッハ6.9以上と探知した」と発表した。政府は午前7時30分、チョン・ウィヨン国家安保室長とチョン・ギョンドゥ国防部長官、ソ・フン国家情報院長が参加した緊急関係省庁長官会議を開き、「北朝鮮の相次ぐ短距離飛翔体の打ち上げの背景と意図を分析し、最近の朝鮮半島をめぐる軍事安保状況を点検した」と、コ・ミンジョン大統領府報道官が伝えた。

 韓米両国は北朝鮮の激しい反発にもかかわらず、5日、各種の局地挑発やテロ状況等を想定した危機管理参謀訓練(CMST)に入り、9日にマーク・エスパー米国防長官の訪韓を機に合同演習日程と名称などを公式発表する予定だ。

 談話は、上半期の韓米合同演習の「同盟19-1」、韓国のステルス戦闘機F-35Aと高高度無人偵察機グローバルホークの導入の動きなどを取り上げ、「米国と南朝鮮当局が我々に引き続き敵として対するいう立場に変わりはないということを立証している」と非難した。

 特に、談話は「前では対話を謳い、後ろを向いては我々を切る刀を研ぐというのが米国と南朝鮮当局が騒ぎ立てる『創発的な解決策』で『常識を超えた想像力』なら、我々も明らかにした通り、新しい道を模索せざるをえなくなるかもしれない」と述べた。「新しい道」とは、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が今年の新年の挨拶で「米国が一方的に制裁と圧迫に進むならば、やむを得ず、新しい道を模索せざるを得ないかもしれない」とし、初めて使った用語だ。対米交渉路線から抜け出すこともありうるという意味が込められている。

 ただ、談話は「対話で問題を解決しようとする我々の立場には変わりはない」と強調した。韓米両国の態度に不満が多いが、南北米の首脳が「トップダウン」方式で掘り起こしてきた朝鮮半島の平和プロセスの大きな枠組みを先に破るつもりはまだないという話だ。

 談話は、韓米双方を批判の標的に上げることにより、韓米訓練と朝米実務交渉の連携を示し、「対米批判」に焦点を合わせた外務省報道官「朝鮮中央通信」のインタビュー(7月16日)、「南朝鮮軍部の好戦勢力に対して厳重な警告を送るための武力デモ」とした7月25日を含めた4回の発射(7月25日と31日、8月2日と6日)に掲載された「対南批判」を併せた。談話が対外用メディアである「朝鮮中央通信」だけではなく、最高権威の“必読メディア”である「労働新聞」にも異例的に掲載された事実は、北の状況認識の厳重さとともに、内外に強調したい話があるという意味に読み取れる。

 これと関連して、「われわれも国家防衛に必須的な威力を持つ物理的手段を開発・試験・配備しなければならなくなるだろう」という談話の主張が目を引く。安保憂慮を提起、通常軍事力の格差を減らすための新兵器開発と兵器システムの現代化作業の避けられなさなど、さまざまな意味が混ざった主張だ。統一部は、金正恩委員長が最近軍事行動に集中する理由に「内部結束」と「今後の情勢・局面で主導権と交渉力の向上」を挙げた。

 消息筋は「韓米合同演習が終わるまでは朝米実務交渉が実現するのは難しいだろう」とし、「ただ、練習が終われば北側の動きがあると予想される」と見込んだ。元関係者は「北朝鮮・米国は、演習が終われば交渉を模索するだろうが、問題は南北関係」だとし、「政府が積極的で自律的な動きに力を入れなければ、南北関係の膠着局面を解消するのは難しい」と憂慮した。

イ・ジェフン、ユ・ガンムン、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/904783.html韓国語原文入力:2019-08-06 21:00
訳M.C

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