北朝鮮が7月31日、元山葛麻(ウォンサンカルマ)一帯で発射したのは「大口径操縦ロケット砲」と明らかにし、これを「短距離弾道ミサイル」と規定した韓・米情報当局の評価について論議が起きている。北朝鮮の発表が真実ならば、韓・米の軍当局がロケット砲を弾道ミサイルと誤認したことになり、情報収集および判断能力に問題があるのではないかという指摘が出ている。
北朝鮮が1日、朝鮮中央テレビを通じて公開した発射場面の写真を見れば、今回の発射体がロケット砲の特徴を持っていることが見てとれる。モザイク処理されてはいるが、移動式発射台(TEL)に多連装ロケット発射管が装着されている。短距離弾道ミサイル2発を打ち上げられる、いわゆる「北朝鮮版イスカンデル」(KN-23)とは発射方式が違う。ロケット砲は、同時に多くのロケットを発射できる武器体系だ。
しかし合同参謀本部は、短距離弾道ミサイルという既存の評価を維持している。合同参謀関係者は「現在まで韓・米情報当局は、新しい形態の短距離弾道ミサイルと類似の飛行特性を持っていると評価している」として「ただし、北朝鮮が写真を公開しただけに追加的な分析が必要だ」と話した。軍は発射体が元山葛麻一帯で発射され、3時間30分後に韓・米の情報当局の分析を経て短距離弾道ミサイルと規定した。
軍は発射体の初速と軌跡が短距離弾道ミサイルの特性に符合すると判断しているという。発射体の初速がロケットではなくミサイル水準に速く、軌跡もまた弾道ミサイルの特性を見せたということだ。この発射体が、下降段階で上昇するいわゆる“プルアップ”(pull-up)起動をしたのかについては言及しなかった。
軍事専門家たちはこの発射体に“操縦”という表現が付けられていることに注目している。この発射体が目標物に向けて精密に誘導されたことを示唆するためだ。北朝鮮は、5月4日にも東海(トンヘ)上で大口径長距離ロケット砲と戦術誘導兵器が動員された火力打撃訓練を進めたと明らかにしたが、操縦という言及はなかった。国防研究院の関係者は「射程が数百キロメートルに達する大口径ロケット砲の場合、誘導装置を付着すれば事実上ミサイルと区分し難い」と話した。実際、北朝鮮が公開した写真を見れば、この発射体が目標物を正確に打撃したことがわかる。
北朝鮮が言及した「大口径操縦ロケット砲」が、既存の300ミリロケット砲を改良した新型を指すという分析もある。一部の軍事専門家たちは、中国のWS-2多連装ロケット砲と類似の400ミリロケット砲である可能性を提起している。キム・ドンヨプ慶南大教授は「300ミリロケット砲の場合、中国のWS-1をベースに2010年代に初期開発が始まり、2016年3月に東海上に発射されたことがある」として「この時、すでに発射管の形がWS-2と似ており、誘導機能まで備えていると評価された」と話した。
WS-2の場合、衛星航法信号を活用した精密誘導が可能で、射程が350キロメートル以上まで延びたと評価される。一部では、北朝鮮が7月11日に外務省の米国研究所政策局長を通じてステルス戦闘機F35を無力化する特別兵器の開発と試験を予告したことがあることから、F35が配備された中部圏の飛行場が打撃圏内に入ることを誇示したのではないかとの分析も提起している。