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[社説]「北と対話」強調した日米首脳会談に注目

登録:2019-05-27 21:20 修正:2019-05-28 07:41
ドナルド・トランプ米大統領(左)と安倍晋三首相が27日、東京・元赤坂の迎賓館で日米首脳会談後、共同記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 27日、東京で開かれた日米首脳会談で、米国のトランプ大統領は北朝鮮と米国の間に互いに「大きな尊敬を持っている。多くの良いことが起きるだろう」と語った。安倍首相も朝-日首脳会談開催を積極的に希望すると明らかにした。北朝鮮の短距離ミサイル発射などで緊張が高まる中、日米の首脳が声を合わせて北朝鮮に対して「対話と交渉」のメッセージを出したのは肯定的だ。今回の会談結果が非核化交渉の復元に一助となりえることを期待する。

 トランプ大統領は共同記者会見で北朝鮮のミサイル発射に「米国国民は北朝鮮が国連決議を違反したと考える人もいるが、私はそのように思わない」と強調した。また「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は賢い」と褒め、北朝鮮の変化を導いて非核化に進むことを促した。2月末のハノイでの首脳会談以降、朝米対話が断絶して3カ月近く流れたが、トランプ大統領が強力な対話再開の意志を持ち続けていることを表わしたもので、注目に値する。トランプ大統領は前日にも「北朝鮮は小さな武器を発射した。これが他の人の気に障ったが、私は違う。金委員長は約束を守るだろう」と語っている。

 安倍首相が日本人の拉致問題に関連して「金委員長と会って率直に、虚心坦壊に話したい」とし、朝-日首脳会談について意欲を表わした点も評価に値する。拉致問題は「すでに解決された」という北朝鮮と「追加の被害者がいる」という日本の立場が厳しく拮抗している事案だ。北朝鮮と日本の間の立場の違いが大きく、解決は容易ではないが、それでも対話の努力自体は朝鮮半島情勢に肯定的な影響を及ぼしうると期待される。

 今回の会談でもう少し積極的な北朝鮮「誘引策」を提示できなかったことは残念だ。トランプ大統領は今回も対北朝鮮制裁維持の方針を再確認し、北朝鮮の非核化プロセスを急がないという意向を明らかにした。米国務部もまた24日、北朝鮮の非核化と朝米関係について「同時的・並行的進展のために北朝鮮と建設的な議論に関与する準備はされている」と既存の立場を守った。安倍首相は、北朝鮮のミサイル発射を「国連安保理決議違反」とし、トランプ大統領より強硬な立場を明らかにもした。

 対話局面の回復のためには、北朝鮮を交渉のテーブルに引き出す積極的な案を模索する必要がある。北朝鮮もトランプ大統領の融和的発言により積極的な姿勢で呼応するよう願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/895553.html韓国語原文入力:2019/05/27 19:38
訳T.W

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