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[特派員コラム]3・1運動と反日

登録:2019-02-28 21:51 修正:2019-03-01 08:49
チョ・ギウォン東京特派員//ハンギョレ新聞社

 日本で3・1運動100周年と関連して最も多く聞く話は、これをむかえて韓国内で“反日”気勢が高まるのではないかという話だ。昨年末からこうした話は忘れそうになると聞こえてくる。日本の外務省は28日、「『3・1独立運動100周年』に際するデモ等に関する注意喚起」というタイトルの“スポット情報”を外務省の海外安全ホームページに上げた。スポット情報には「韓国に行く予定の人や滞在中の人は、デモ等が行われている場所には近づかない等慎重に行動し、無用のトラブルに巻き込まれることのないようご注意ください」として注意を促した。外務省は、海外滞留日本人の安全に対する重要な問題が発生する可能性がある場合にスポット情報を出す。前日の27日、自民党議員の外交関係会議では「韓国で日本人がデモに巻きこまれ危害に遭いでもすれば悪化した日韓関係は破滅的になるだろう」というような議員発言が相次いだ。自民党議員の発言と外務省のスポット情報発信は、3・1運動100周年と関連して韓国内の反日気勢高調という日本の憂慮が反映されたものと見える。

 もちろん、他国の国民が自国を批判することは愉快なものではない。だが、自国を批判することは悪いという、一本調子のレッテル貼りは、お互いを理解し、相互がコミュニケーションすることに役立たない。同じ理由で“反韓”とか“反米”のようなレッテル貼りにも否定的だ。しかも、韓国人の日本批判はほとんど日帝植民地支配と日本の過去の侵略戦争に関連した内容だ。日本と日本人全体を悪と決めつける程に一本調子の考えを持っている韓国人はほとんどいないと見る。昨年、韓日間の人的交流は1000万人を突破した。駐韓日本大使館の資料によれば、昨年日本に来た韓国人は753万9000人で、前年より5.6%増え史上最高値を記録した。韓国人が日本全体を見る視角は、肯定的な側面が多いということを見せている。反日と3・1運動だけを結びつける前に、3・1運動当時に朝鮮人が何を主張し、日本の植民地支配が朝鮮半島にどんな意味を持つのかを調べてみてはと思う。韓国でも3・1運動100周年をむかえて、尖った話よりは3・1運動の意味から落ち着いて振りかえるムードになれば良い。

 100年前の3・1独立宣言書にはこのような内容が出てくる。「当初民族的要求に出されない両国併合の結果が、畢竟姑息的威圧と差別的不平と統計数字上虚飾の下で利害相反する両民族間に永遠に和同することのできない怨溝を去益深造させた今来実積をみよ」とし、「勇明果敢をもって旧誤を廓正し、真正な理解と同情とを基本とする友好的新局面を打開することが、彼と我が間の遠禍召福の近道であることを明知すべきではないだろうか」と書いている。朝鮮の独立が朝鮮と日本の関係、そして「東洋平和」のための道であることを訴えている。

 韓日関係は何年か前から冷却状態だったが、今年はいっそう冷え込んでいる。1965年の国交正常化以後、最悪という話まで聞こえる。国会議員は国会という公の場所でも批判ではない卑劣な言辞を平気で吐きだす。中山泰秀・自民党議員は2月13日、衆議院予算委員会で「私は普段から日本に生まれてよかったと考えてきた。私がもし、韓国で生まれて政治家になり大統領にでもなったとすれば、その末路は死刑、逮捕、自殺になっただろう」と話した。3・1運動から100年が過ぎても、両国の和合に向かう道は相変らず遠い。

チョ・ギウォン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/884039.html韓国語原文入力:2019-02-28 19:08
訳J.S

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