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[社説]警察は女性たちの怒りの真の理由を知れ

登録:2018-08-11 09:14 修正:2018-08-11 12:44
ウォマド(「Womad」)のホームページ//ハンギョレ新聞社

 警察がウォマド(「Womad」、女性限定のコミュニティサイト)運営陣に対し、わいせつ物流布ほう助などの容疑で逮捕令状の発給を受け追跡中という発表をめぐり、議論が起きている。警察は統計を動員して「不公正捜査」ではないことを積極的に釈明している。しかし、女性たちが日常で違法撮影物に対して感じてきた不安と恐怖と絶望感に照らしあわせれば、これは“お門違い”の釈明だ。

 警察はウォマドに掲示された「男性銭湯の児童の裸体写真」を捜査する過程で、運営陣にメールを送っても返答がなく、削除措置がされなかったためわいせつ物流布ほう助罪が成立すると説明している。女性嫌悪の震源地と名指しされたイルベ(「日刊ベスト貯蔵所」、ネット掲示板サイト)についても、厳正な捜査を行っているとし、今年受け付けられた「イルベ」関連の申告69件のうち53件を検挙し、ウォマドは今年32件が受け付けられたが掲示者が逮捕された例はないという資料まで出した。

 このような写真掲載はいかなる理由でも正当化できない。イルベとウォマドの申告件数も事実だろう。しかし、違法撮影物の女性被害者たちの捜査依頼そのものがどれだけ辛く苦痛なことかを知れば、警察がこのような比較を説得力があるとして打ち出すことはできない筈だ。警察は「通常の捜査手続き」というが、これまでわいせつ物流布ほう助捜査に消極的だったのは事実だ。会員数百万人のソラネットの運営者を逮捕するのに19年かかったのは端的な例だ。先月、ある放送局が放映して大衆的怒りを惹き起こしたウェブハード業者といわゆる「サイバー葬儀社」(サイバーデータ削除業者)の癒着関係については、きちんと把握すらできずにいる。消しても消しても再びネットに出回る「盗撮カメラ」と「リベンジポルノ」映像は、被害女性の人生を滅茶苦茶にしている。10日、女性団体連合など30の女性団体は警察庁前で記者会見を開き、「ウェブハードを処罰しない警察が本当のほう助者」と主張した。

 百歩譲って警察がこれから流布ほう助も強力に捜査するという意味なら、これまでの消極的な捜査について認めるのが先だ。「女性嫌悪を男性嫌悪で返す」方式には同意しないが、ウォマドは金や趣味のために「わいせつ物流布」を目的とするサイトではない。ウォマドに批判的な人まで今回の捜査の問題点を指摘するのもそのためだ。恵化(ヘファ)駅と光化門(クァンファムン)で4回開かれたデモの核心的な要求は「女性が安心して暮らせなくしている男性中心的な構造」を終わらせよというものだった。警察は釈明する前にこうした要求の本質に耳を傾けなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/857136.html韓国語原文入力:2018-08-10 19:06
訳M.C

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