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[社説]解決の糸口見えた「サムスン白血病問題」の教訓

登録:2018-07-23 07:01 修正:2018-07-23 09:46
サムスンLCD工場で働いて脳腫瘍にかかったハン・ヘギョンさんと母親のキム・シニョンさん。ソウル市瑞草区瑞草洞のサムスン本館の前で手を握り合った=4日夕、キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

  「サムスン電子半導体白血病問題」の解決の糸口が見えた。サムスンと白血病被害者のために活動してきた市民団体「パンオルリム」(半導体労働者の健康と人権守り役)は22日、「サムスン白血病調停委員会」(委員長キム・ジヒョン前最高裁判事)の仲裁案を無条件に受け入れることにした。調停委が両者の意見を反映して10月初めまでに被害補償と再発防止対策等を含んだ仲裁案を出せば、必ず従うことに同意した。一種の「強制調停」方式に合意したのだ。サムスン電子器興(キフン)工場の労働者ファン・ユミさんが2007年に亡くなってから11年目だ。遅ればせながら歓迎すべきことだ。

 白血病事態の解決にこのように長時間がかかったのは、サムスンの責任が大きい。原因を与えたサムスンがもっと早く責任を認め、十分な被害補償と共に再発防止対策を出すのが当然だった。しかし、サムスンはこれまで責任回避に汲々とした姿を見せてきた。その間に数多くの労働者が亡くなったり、闘病生活をしている。パンオルリムが2007年から2017年までに情報提供を受けたサムスンの半導体・LCD工場の労災死の労働者は80人に達している。被害者と家族が受けた苦痛は到底語りつくせない。調停委が2015年の調停案を出した際も、妥結の直前まで行ったが、サムスンは調停案のうち公益法人設立案を拒否して失敗に終わった。このような点から、サムスンが今回の仲裁案を無条件に受け入れることにしたことは意味が大きい。

 サムスンの決定の背景をめぐってさまざまな話が出ている。調停委の仲裁案は事実上の最後通告なので、これまで拒否すれば事態解決の機会を見い出しがたいと判断したというものだ。調停委は両者に送った提案書で「調停手続きを再び進め問題解決を終えるか、そうでなければ調停委活動の終結を宣言する」と明らかにした。また、サムスンは否認しているが、最高裁の判決を控えているイ・ジェヨン副会長のイメージ改善を考慮した決定という解釈もできる。しかし、白血病問題の解決とイ副会長の裁判は別個の懸案という点を明確にしておく必要がある。

 サムスン電子の白血病問題は、現場労働者の安全と健康が最優先の価値という事実を悟らせた。企業は金儲けに埋没してはならず、労働者が危険に露出しないように作業環境を画期的に改善しなければならない。政府も産業災害に対する管理・監督を強化し、違反企業には責任を厳重に問うべきだ。雇用労働部の資料によると、昨年労災で死亡した労働者は1957人に達した。2016年より10%以上増えた。今は「労災王国」という汚名から抜け出す時が来たのだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/854353.html韓国語原文入力:2018/07/22 18:36 修正:2018/07/22 18:54
訳T.W

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