北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「朝鮮半島の非核化に対する我々の意志は変わっておらず、一貫しており、確固たるものだ」と繰り返し強調した。北朝鮮を訪問しているロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との面会での発言だが、彼が念頭に置いている“実質的聞き手”は、太平洋を越えワシントンにいるドナルド・トランプ米大統領だ。朝ロ両国は、年内に金委員長とプーチン・ロシア大統領の首脳会談を開くことで原則的に合意した。
金委員長は31日、平壌の百花園迎賓館でラブロフ外相と面会し、「最近、世界的な関心事になっている朝鮮半島と地域の情勢の流れと見通しについて、朝ロ最高指導部の意思と見解を交換しており、両国の政治経済協力関係をさらに拡大・発展させて緊密に協力していくための問題を協議」したと、「労働新聞」と「朝鮮中央通信」が1日付で一斉に報道した。
金委員長はラブロフ外相に「確固たる非核化への意志」を強調し、「朝米関係と朝鮮半島の非核化を新しい時代、新しい情勢の下、新たな方法で各自の利害を満たす解決策を見出し、段階的に解決していくと共に、効率的で建設的な対話と交渉により問題解決を進めていくことを望んでいると述べられた」と、「労働新聞」などが報じた。
金委員長のこのような発言は、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長が特使資格として米国を訪問し、マイク・ポンペオ国務長官との会談を終えて、トランプ大統領への表敬訪問を控えた時点で出た。朝米が調整大詰めの「金正恩-トランプ談判」の実現を目的に「私の非核化への意志を疑わないでほしい」というメッセージを送ったものと言える。
金委員長が自身の非核化への意志と方法論を北側の公式メディアを通じて具体的に明らかにしたのは、今回が初めてだ。注目すべき変化だ。「労働新聞」など北側のメディアは、これまで「完全な非核化と核のない朝鮮半島」という「4・27板門店(パンムンジョム)宣言」の合意内容を論評なしに報道したり、「朝鮮半島における非核化の実現」(5・26南北首脳会談関連の5月27日付の「労働新聞」報道)を報じるに止まった。中国の習近平国家主席との二度の首脳会談(3月に北京、5月に大連)の際も、金委員長の非核化関連の言及は北側のメディアを通じて公開されたことがない。
さらに注目すべきなのは、金委員長が今回明らかにした「朝米関係と非核化の方法論」だ。これに先立ち、中国官営の「新華社通信」は、金委員長が習主席との「5・7大連会談」の際、「関係国が(北)朝鮮に対する敵視政策と安保脅威をなくすなら、朝鮮は核を持つ必要がなく、非核化は実現可能である」と述べたと報じた。さらに、金委員長が「朝米対話によって作られた相互信頼に基づき、関連各国は責任を持って段階的・同歩的処置を取ることで、(朝鮮)半島問題の政治的解決プロセスを全面的に推進し、最終的には半島の非核化や持続的平和を実現することを望んでいる」と明らかにしたと報道した。
金委員長の31日の発言を「5・7大連会談」での発言と比較すると、「新たな方法」と「各自の利害を満たす解決策」が加わった一方、「同歩的処置」が言及されていない部分が目を引く。
朝ロ関係と関連しては、ラブロフ外相がプーチン大統領の親書を金委員長に渡し、「朝ロ最高指導者の間の会合を実現させることについて合意した」と「労働新聞」が報じた。こうなると、北東アジアの6カ国のうち、金委員長と会談日程が決まっていない首脳は、日本の安倍晋三首相だけだ。北東アジア情勢が急変する中、日本の外交的立場が次第に難しくなる状況だ。