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[社説]トランプの朝米首脳会談中止と北朝鮮の核実験場廃棄

登録:2018-05-25 08:33 修正:2018-05-25 10:05
北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会第7期第3回全員会議決定によって、北朝鮮咸境北道吉州郡豊渓里核実験場が完全に廃棄されたと、朝鮮中央通信が24日報道した=朝鮮中央通信/連合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が24日(現地時間)、来る6月12日に予定された朝米首脳会談を取りやめると明らかにした。ホワイトハウスは、トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に送ったこのような内容の盛り込まれた書簡を公開した。実に驚くべきことであり、とんでもないことだ。北朝鮮はこの日の昼、咸鏡北道豊渓里(プンゲリ)の核実験場を公開的に廃棄したが、米国が首脳会談の中止で応答したのは理解し難い。今からでも米国は首脳会談の中止を再考し、北朝鮮の非核化の意志に対する冷静な評価をすることを願う。

 ホワイトハウスが公開したところによると、トランプ大統領は「(最近の北朝鮮高官らの発言にあらわれた)極度の怒りと公開的な敵対感のために、残念ながら今の時点で会談をすることは不適切だと感じる」と明らかにした。北朝鮮外務省のキム・ゲグァン第1次官とチェ・ソニ副相などが相次いで米国のマイク・ペンス副大統領とジョン・ボルトン・ホワイトハウス国家安保補佐官を公開的に非難したことを取り上げたようだ。

 しかし、これは北朝鮮が強く反対する「リビア式核廃棄モデル」を米国関係者らが引き続き強調することに対する対応の性格が濃い。北朝鮮は口では米国高官らを非難しながらも、外信と韓国メディアが見守る中、24日に豊渓里(プンゲリ)核実験場を廃棄した。「完全な非核化」に向けた意志を誇示したと見ることができる。このような「意味ある行動」を評価せずに、ただ「過激な言葉」を問題視して首脳会談を取り消したトランプ大統領の態度は穏当ではない。

 特に、米国の体制安全保障案が明示的に出ていない状態で、北朝鮮が豊渓里核実験場を廃棄したのは非常に意味のある決断だ。北朝鮮に豊渓里核実験場以外に他の適当な核実験場の候補地がないと知られているだけに、今回の廃棄の手続きは「未来の核」を放棄するという宣言と評価できる。米国は今からでも北朝鮮と対面し、首脳会談の取り消しを呼び起こした争点を整理するのが正しい。朝米は一方では自制し、もう一方ではより積極的に対話する必要がある。

 長い間敵対関係にあった北朝鮮と米国が約束した首脳会談を開くことができなければ、北朝鮮の核をめぐる朝鮮半島情勢は極めて不透明になり、悪化する可能性が高い。板門店(パンムンジョム)南北首脳会談で作られた「平和」のムードを引き続き発展させていくのが重要だ。朝米両国は対話を再開し、易地思之(互いに相手の立場に立って考える)の姿勢で大妥協を実現することを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/846187.html韓国語原文入力:2018-05-24 23:52
訳M.C

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