サムスングループの「労組つぶし」の全貌が次々と明るみになっている。検察が押収捜索した6千件余りの文書の中から段階別対応指針を含む「マスタープラン」を見つけたのに続いて、総括TF(タスクフォース)を設けて組織的に労組破壊活動を繰り広げた情況が分かった。トップ企業かも知れないが、一流企業とは言えないサムスンの素顔だ。
サムスン電子サービスは、2013年7月に結成された労組に対応するため緻密に動いた。ハンギョレの報道によると、TFは交渉・状況・マスコミの3つの分野の対応チームを傘下に置いて、役員と部長級がそれぞれ責任を引き受けたという。マスタープランが労組の立ち上げ初期から結成後まで段階を分けて対応策を指摘する一般的な戦略とすれば、TFはこれを具体的に実行する組織だ。TFはチェックリストまで作ってマスタープランに提示された「狙い打ち監査」「団体交渉延期」「対抗デモ企画」等を履行して確認していた。特にこれらの活動を、サムスン電子本社の別チームが支援していたと分かった点は注目される。これまでサムスンは、労働者はサムスン電子サービスの協力業者の従業員にすぎないと主張してきたが、直接関与の有無を明らかにするカギになりうる。
疑惑であふれたサムスン電子サービスの労組員の「遺体奪取」の情況も明るみになった。センターから仕事が切れるなど組合員が弾圧を受けていた2014年5月、ヨム・ホソクさんは「我々の支部が勝利する日に火葬してほしい」という遺書を残して亡くなったが、「労働組合葬」に同意したヨムさんの父親が態度を変え、警察が遺体をソウル医療院から運び出し、遺言は守られなかった。ところが今回の捜査で、該当する地域センター長が父親に二回以上会い、慰労金を示して説得したという内容などが書かれた文書が出てきた。警察の「遺体運び出し」がどのような経緯でなされたか、サムスンがどのように介入したかもまた今後明らかにされるべきである。
これまでに分かった疑惑は元請けの不当労働行為に当たる可能性が高い。文書がサムスン電子の本社で見つかり、本社チームがTFまで支援していただけに、サムスン電子の責任も認められるのが当然だ。一部では今回の捜査は一事不再理の原則に反するとか、別件捜査だと指摘しているが、法理にもそぐわないあきれた主張だ。サムスンが数十年間、違憲的な無労組の経営方針を続けてきたことは、検察や労働部の権力と一部のマスコミの庇護も大きな役割をしてきた。今回こそは徹底的に捜査し、違法性が明らかになれば処罰しなければならない。
韓国語原文入力:2018/04/11 05:29(1221字)