国連がサムスン電子がベトナム現地工場の劣悪な労働環境を外部に知らせた内部告発者らを脅していることに対し、憂慮を表明した。
22日、国連人権高等弁務官事務所のホームページによると、国連人権専門家たちは、サムスン電子のベトナム現地スマートフォン製造工場2カ所で、女性労働者と労働運動家らが劣悪な労働条件を外部に知らせた後、ベトナム政府と会社側から「脅しや嫌がらせ」を受けていることに対し、懸念を示した。
昨年、スウェーデンの非政府機構iPenなどは、ベトナムのハノイ北部のサムスン電子の工場2カ所で、労働者たちが健康に有害な作業環境で働くという内容を調査し、国連に報告した。同報告書によると、女性労働者45人のインタビューに基づいた同報告書は、従業員らが騒音がひどい作業場で、12時間も立って作業しなければならず、トイレの使用や休憩時間も制限されているという。一部の女性たちは疲労とめまいを含め、劣悪な勤務環境が原因で流産など健康上の問題を経験したと明らかにした。同報告書はまた、労働者たちが毒性化学物質にさらされる可能性に対する憂慮を提起したが、決定的な証拠は見つからなかった。
国連の人権専門家らは「サムスン電子が報告書の作成に参加した女性労働者たちを対象に訴訟などを提起しようとすることについて、釈明を要求した」と明らかにした。また、ベトナム政府が報告書を作成した労働運動家を調査することに対しても憂慮を表明した。
英経済誌の「フィナンシャル・タイムズ」は「国連の非難はサムスンを当惑させるような問題であり、低価製造の中心地として、外国人投資家らが集まっているベトナムにとっても敏感な問題」だと報じた。サムスン電子ベトナム事業部は資本金150億ドルで約10万人を雇用しており、主力事業であるギャラクシーシリーズなど、サムスン電子のスマートフォンの約半分を製造している。
サムスン電子側は「我々は国連人権専門家たちの憂慮を真剣に受け止めている」とし、「すでに調査のための処置を取っており、問題を明確にするため、緊密に協力する」と話した。