北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長一行が25日、平昌(ピョンチャン)冬季五輪閉幕式に参席した。前々日から訪韓していた米国のイバンカ大統領補佐官も、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と席を並べた。次期の冬季五輪開催地の中国代表団の劉延東副首相も同席した。北の核問題を解決するための6カ国協議の主要当事国の代表が集まったことだけでも、閉幕式の象徴的な意義がある。「平昌」が生んだこの接触の雰囲気を続けねばならない。
文大統領は閉幕式の前にも金副委員長と会った。この席で文大統領は、南北関係改善と朝鮮半島問題の解決のためにも北と米国の対話が早く開かれなければならないと明かし、金副委員長は米国と対話する用意は十分あると答えた。また、文大統領が南北関係は広範囲に拡大されるべきだと強調したことに対して、金副委員長は「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も同じ意志だ」と答えた。北朝鮮が韓国政府とあまり違わないという認識を示し、米国との対話に積極的であることを明らかにしたことは注目に値する。
閉幕式に関連して最も注目されたのは、北と米国の接触の有無だ。北朝鮮の代表団の面々を見れば、表の冷たい態度に関わらず、米国との対話の可能性に相当な重きを置いて韓国入りしたことがわかる。北の外務省の対米外交担当実務者であるチェ・ガンイル副局長が代表団に合流し、米国代表団にもエリソン国家安保会議朝鮮半島補佐官が含まれている。実務者間で水面下の接触がありえる可能性を念頭に置いていることを示している。
さらに重要なのは、平昌以後の朝米関係だ。もちろん米国は現在も「最大の圧迫」に傾倒している。閉幕式前日の24日にトランプ政権は北に対する大規模な追加制裁を発表した。北も米国に屈しないという態度を明確にしている。しかし、このような強硬な言い方を越え、朝米間の交渉の可能性があることはそこかしこに表れている。トランプ氏が北に対する追加制裁を発表すると同時に、朝米協調に対する期待を表したのがそのような可能性を示している。2、3カ月前まで朝鮮半島の緊張は最高潮に達していた。平昌五輪を契機に、状況は一挙に対話の雰囲気に逆転した。北の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と金与正(キム・ヨジョン)労働党第1部長が派遣され、南北首脳会談を提案して南北関係回復の道を開いた。
朝鮮半島に平和を定着させ、北の核・ミサイル問題を解決するには、南と北、米国が皆、平昌が生んだ機会を逃してはならない。対話の道を開かねばならない。相変らず北と米国の間には不信の溝が深い。一時的に造られた緊張緩和の局面が、いつ対決に戻ってしまうかわからない。韓国政府は北と米国の接触と対話のための仲裁者として役割を充実させるとともに、南北関係回復と進展に拍車をかけねばならない。金与正第一部長への肯定的な回答で、北朝鮮に特使を派遣することも考慮すべきではなかろうか。